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第124回 「2016年のFEDと日銀」

2016年01月04日

株式会社マネーパートナーズホームページ寄稿 2016年1月


 やっとのことで米国のゼロ金利が終った。量的緩和の拡大ストップと相まって、FEDの金融政策は正常化への一歩を踏み出したことになる。土壇場迄、国内外のマーケットや学者の一部から「時期尚早だ」、「市場の混乱必至」、「途上国に打撃」等々の雑音が続き、多少神経過敏気味のイエレン議長がまたビビるかなと案じられたが、期待通りで良かった。雑音は杞憂に終っている。


 第一の関門を通り抜けると早速次の関門に関心が高まるのは当然だろう。話題は二つある。一つは、今後の金利引上げのスピードと幅はどうなるのか、であり、もう一つは、日銀やECBの政策にはどういう影響が及んでくるのだろうか、という点である。


 第一の点についてはどうもFEDとマーケットの間に温度差があるようだ。正常化のスタートを切ったFEDは、これからは安定したペースでプロセスを完了したいと思っているだろう。具体的には、次は2016年3月、以後3ヶ月毎に0.25%、2年間で2%というイメージだろう。2018年にはQEの縮小、つまり保有債券の売却も可能になり、米国経済は危機発生後10年にしてやっと本当の出口に立つことになる。


 これと比べるとマーケットはもっと慎重なシナリオが好きらしい。2016年は0.25%上げを2回が精々。雇用が悪化すればゼロ金利への逆戻りもありうるという声すらある。マーケットが緩和の長期化を望むのは当然だが、無用な雑音でFEDがぶれたりすると、ろくな事にならないかと気がかりではある。


 日銀はFEDが何をしようと自分の仕事に専念する以外にない。米国金融の正常化が安定した、予見可能なペースで進んで行けば、円ドル相場も安定する。しかし、マーケットがそれを信用しないというメッセージを出すと多分円高にふれ、それが実体経済を冷やすということになりかねない。


 そもそも日本の異次元緩和のねらいは、日銀が何時も云っているように、インフレ期待を高め、リスク・オンの環境を作り出すことで企業や家計の投資・消費増大という実体経済の改善に伝達することである。ところが、何時の間にか、金融緩和―円安―輸出増―企業収益増―株高―実体経済改善という実現不能な経路がありうるような錯覚に捉われてしまった。しかし、実際には、円安は輸出増をもたらさなかったし、企業収益の増加はもっぱら資産評価額の増大という水ぶくれの結果であったから、当然のことながら投資や賃金の増加にはつながらないのである。


 日本の課題は原点に帰って、インフレ期待を育成することである。それはこれ以上金融緩和を量的に拡大しても実現しないだろう。問題は、どうしたら国民の経済についての将来展望を変えられるかということなのだ。


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プロフィール

  • 著者近影 行天 豊雄(ぎょうてんとよお)
    1931年生まれ。55年東京大学経済学部卒業後、大蔵省に入省。プリンストン大学留学。国際通貨基金、アジア開発銀行に出向、国際金融局長、財務官などを歴任。89年退官後、ハーバード大学、プリンストン大学の客員教授を経て、92年から96年まで東京銀行会長。95年12月に国際通貨研究所初代理事長となる。2016年10月より同研究所の名誉顧問に就任。98年には小渕首相の助言役として内閣特別顧問を努めた。著書には「富の興亡-円とドルの歴史」(東洋経済新報社)など。

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