FX・CFD・証券取引のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-

FX・CFD・証券取引・外国為替のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-

外国為替古今東西

最新の記事

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

第127回 「米国利上げと円相場」

2016年04月01日

株式会社マネーパートナーズホームページ寄稿 2016年4月


 米国の次の利上げは何時だろうかというのがまたマーケットの話題になってきた。去年の12月にFEDが8年に及ぶゼロ金利政策を終えて0.25%の利上げに踏み切った時にはマーケットに一種の安心感が拡がったものだ。つまり、これで上げるのか上げないのかという不安定な思惑の負担が消え、これからFEDは四半期に一度位の予見できるスピードで金利正常化を始め、2016年末には1%前後に戻るのだろうと大多数の人が思ったのである。ところが、2016年に入ると、中国の株価下落、人民元下落、円の上昇、油価下落等という波乱が起って、市場のムードがすっかり変ってしまった。「2015年12月の利上げは間違いだった。もうこれでFEDは2016年中に利上げはできなくなった。」という弱気一色になってしまったのである。元来、市場は米国の利上げに対してそれが米国外の市場に及ぼすマイナスの影響ばかりを考え、FEDが金利正常化に対して持っている中央銀行としての非常に強いこだわりを軽視するするきらいがあった。


 案の定、3月に入って、米国の景気回復の順調さが確認され、中国経済のソフト・ランディングも見えてくると、FED周辺からは利上げプロセス再開のつぶやきが聞えてくるようになり、それを察してマーケットはまたうろたえているわけである。


 米国の利上げが円相場にどう働くかは日本にとっては最大の関心事である。しかし困ったことにそれがはっきりしないのである。


 米国の利上げは米国経済堅調の証しであり、金利差拡大を齎すと見れば当然ドル高ということになる。しかし、利上げはインフレ懸念の反映だと考えれば、購買力の視点からはドル安要因ということになる。


 日本の立場から考えても、状況は同じように相反する要因を持っている。日本の回復が遅れ、さらなる金融緩和が期待される一方、米国が着々と正常化するとなると、両国の金融政策の不整合は激化し、円安をもたらす。だから、米国利上げが遠のいたと思われた2016年初には円高になったのである。


 しかし、米国経済拡大や油価の下落で日本の経済収支黒字は拡大しているのは円高要因である。また、日本のゼロ・インフレが長引いていることは購買力の視点からは円高であろう。大体2013年以来の過大な円安に対する米国を始めとする国際的不快感は無視できなくなっているので、もう円安には戻れない。


 昨年12月の米国利上げの際も直後は円高にふれたがまた円安になり、方向感覚は一向に定まらなかった。


 という具合で、これからの円相場の見通しについては百論百出である。しかし、21世紀に入ってからの円相場の動きとそれを反映した日本経済をふり返ると二つの大切な教訓が示されているように思う。一つは、円安は見かけの利益をもたらすけれども、日本産業の本当の国際競争力を強めないということであり、もう一つは、日本産業は時間はかかっても円相場の変動に左右されない構造に変って行かなければならないということである。

このページの先頭へ

このページの先頭へ

プロフィール

  • 著者近影 行天 豊雄(ぎょうてんとよお)
    1931年生まれ。55年東京大学経済学部卒業後、大蔵省に入省。プリンストン大学留学。国際通貨基金、アジア開発銀行に出向、国際金融局長、財務官などを歴任。89年退官後、ハーバード大学、プリンストン大学の客員教授を経て、92年から96年まで東京銀行会長。95年12月に国際通貨研究所初代理事長となる。2016年10月より同研究所の名誉顧問に就任。98年には小渕首相の助言役として内閣特別顧問を努めた。著書には「富の興亡-円とドルの歴史」(東洋経済新報社)など。

コラム一覧

鈴木郁雄の実践トレーディング 外国為替古今東西 行天豊雄 外貨投資 転ばぬ先の智慧 田嶋智太郎
市場養生訓 小口幸伸
為替大観 小池正一郎
為替の話・トレンドを掴め! 木村佳子
武市のなぜなにFX 武市佳史

FX取引(外国為替証拠金取引)、商品CFD取引および証券取引に関するご注意

パートナーズFX、パートナーズFXnanoおよびCFD-Metalsは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格とには差額(スプレッド)があります。

取引手数料は無料です。ただしパートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの受渡取引に限り、1通貨単位あたり0.10円の手数料をいただきます。

パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの取引に必要な証拠金は、取引の額の4%以上の額で、証拠金の約25倍までの取引が可能です。法人コースの証拠金は、取引の額の4%の額と、金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額のうちいずれか大きい額で、証拠金の約25倍までの取引が可能です。為替リスク想定比率とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第27項第1号に規定される定量的計算モデルを用い算出します。

CFD-Metalsの取引に必要な証拠金は、取引の額の5%以上の額で、証拠金の約20倍までの取引が可能です。 国内上場有価証券の売買等に当たっては、最大で約定代金の2.7%の手数料(消費税込み)、最低手数料は取引形態等により異なり最大で2,700円(消費税込み)をいただきます。国内上場有価証券等は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等および有価証券の発行者等の信用状況(財務・経営状況を含む)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)があります。

取引開始にあたっては契約締結前書面を熟読、ご理解いただいた上で、ご自身の判断にてお願い致します。

〈商号〉株式会社マネーパートナーズ(金融商品取引業者・商品先物取引業者)
〈金融商品取引業の登録番号〉関東財務局長(金商)第2028号
〈加入協会〉日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会 日本商品先物取引協会

このページの先頭へ