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第129回 「景気より経済」

2016年06月01日

株式会社マネーパートナーズホームページ寄稿 2016年6月


 昨今の日本経済を見ていて感ずるのは、何処か焦点が定まっていないということだろう。政府も、企業も、個人も、一体自分はどちらへ向いて進んでいるのか、また進んで行くべきなのかが判らない。その結果、何もしないのが良いのではないかという消極的で内向きなムードが消えない。


 1~3月期のGDP成長率がやっとプラスになり、海外では「日本経済が生き返った」という好意的な反応が多かったんだが、国内のメディアは「いや、あれは閏年の故で実はゼロ成長」と水をさす。まるで景気が回復しては困るような論調である。


 金融緩和は相変らず続いている。放っておくとデフレに逆戻りするだろうから、遮二無二の金融緩和は必要なんだが、実質金利が下がれば投資は増える筈なのに一向増えない。金融機関は、マイナス金利という初めて見る化物に怯えてすっかり萎縮してしまっている。「預金は集めるな、貸出しはするな、経費を節約しろ」という声ばかり聞えてくる。


 「皆揃って財政出動を」というラッパの音は大きいが、G7の中でもダントツに財政の悪い国がラッパを吹いても全く迫力がない。消費税引上げ延期も財政出動だということになっているらしいが、延期された時、消費者は「税金が上らないことになったから、その分は使ってしまおう」と考えるのだろうか。それとも、「こんなことをやっていると社会保障制度は必ず維持不能になるから、せっせと貯めて老後に備えよう」と思うのか、答えは判っているのに、そうならない。


 金融政策も財政政策も効かないから、やはり大事なのは成長戦略だというのが最近の流行語である。日本経済の現状を見れば、成長促進のためになすべきこと、そしてなしうることは、唯一つ、あらゆる分野で新規参入を活発にすることである。既得権益の保護とか過当競争回避の力に対抗するためには思い切った政治資本の投入と全国民的キャンペーンが必要である。しかし、実際に行なわれていることは、「規制撤廃」ではなく中途半端な「規制改革」ばかりだから何時迄経っても国全体が奮い立つようなエネルギーが生まれない。


 その一方で、訪日外人客の増加に背押されて、「日本は世界一美味しくて、親切で、美しくて、好かれている」という自己愛玩シンドロームがメディアに溢れている。しかも、危険なのはそれが特定国に対するヘイト・スピーチと表裏をなしていることである。


 日本全体が奇妙な筋肉弛緩症状に陥っているような気がする。「別に頑張って何かしなくてもいいんだ」、むしろ「何もしないほうがいいんだ」という惰性状態である。経済同友会の代表幹事が云うように「茹でガエル」なのかも知れない。


 しかし、世界は刻々と動いている。とくに日本をめぐるアジア・太平洋地域の経済、軍事、政治、外交関係の転変は正に端倪すべからざるものがある。錯綜する利害・勢力関係の中で日本が生き抜くために絶対必要なことは、「日本経済は再生しつつある」という確証である。それがなければ、日本は軽視され、無視され、大国の影に埋没してしまうだろう。


 その意味で、今日本経済は大変大事な局面にあると思う。政治的には「景気回復」が優先するのだろうが、本当の「景気回復」を達成するためには「経済再生」が必要なことを忘れてはならない。

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プロフィール

  • 著者近影 行天 豊雄(ぎょうてんとよお)
    1931年生まれ。55年東京大学経済学部卒業後、大蔵省に入省。プリンストン大学留学。国際通貨基金、アジア開発銀行に出向、国際金融局長、財務官などを歴任。89年退官後、ハーバード大学、プリンストン大学の客員教授を経て、92年から96年まで東京銀行会長。95年12月に国際通貨研究所初代理事長となる。2016年10月より同研究所の名誉顧問に就任。98年には小渕首相の助言役として内閣特別顧問を努めた。著書には「富の興亡-円とドルの歴史」(東洋経済新報社)など。

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