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第141回 「前車の轍」

2017年06月01日

株式会社マネーパートナーズ   ホームページ寄稿 2017年 6月

 中国経済の先行きを案ずる声が大きくなっている。確かに、問題点を列記すると事態は容易ではない。不動産バブルは依然進行中で、都市部の住宅価格はどう考えても維持不可能な水準にあり、バブル崩壊は不可避である。企業や地方政府の債務は急増しており、その額はGDPの250%に達しようとしている。銀行の不良債権比率は現在はまだ数%と称されているが、一旦暗転すると事態はきわめて深刻になる。2015年の株式市場破綻の後遺症はまだ完治しておらず、金融、資本市場全般の健全性達成への道のりは未だ遠い。中国の生産労働人口は2020年代前半にピークを打ち、減少を始める。環境問題、資源問題も加わって、成長率は低下せざるをえない。かつての二桁成長はすでに6%台になっており、数年後には5%台だろう。人民元の国際化や国営企業改革はすべて先送りされている。

 というような悲観論の結論として、だから中国経済は、1980年代以降の日本経済と同じように、バブル崩壊、不良債権、デフレという過程を経て、長期停滞に陥らざるをえない。中国が一人当りGDPが二万ドルを超える先進国になることはない、ということになる。

 1985年のプラザ合意以降の日本経済と現在の中国経済の比較は中国においては異常なくらいに関心の高い事柄である。ある意味で中国は非常に貴重な前車の轍を眼前に見ていると思い込んでいるふしがある。

 日本の視点で自らの経済を総括すれば、1970年代のオイル・ショックと変動相場制による成長率の低下、それに対抗するための輸出主導型の成長モデル、その結果の貿易黒字と対米摩擦、円高回避のための金融緩和、資産バブルの発生とその看過、金融引締めの遅れとバブルの異常拡大、遅れた引締めがきつすぎたためのバブルの完全破裂と家計・企業のバランスシートの瓦解、不良債権処理の遅れ、と続いて日本経済は残念なことに再生への活力を失って長期停滞の泥沼にはまってしまったのである。

 こう考えると、日本の経験は実は中国にとってそれ程役に立つものではないのである。政治制度や経済制度の優劣を論じても意味がない。中国の制度的特性はたしかに問題の短期的処理には非常に有利に働くだろうが、それが根本的解決になるかどうかは判らない。しかし、鄭小平による改革開放政策以来30年の中国経済の発展を振り返ると、中国の指導者達は自国経済の強みと弱みを良く知っており、多くの試行錯誤を繰り返しながら、結果的には驚異的成果を上げてきたのは否定できない事実であろう。

 それにしても中国経済を見ていて羨ましいと思うのは、民営企業経営者達の凄まじいまでの活力と、そういう力が存続しうる市場環境である。これが残る限り、中国経済の発展は止まらないだろう。


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プロフィール

  • 著者近影 行天 豊雄(ぎょうてんとよお)
    1931年生まれ。55年東京大学経済学部卒業後、大蔵省に入省。プリンストン大学留学。国際通貨基金、アジア開発銀行に出向、国際金融局長、財務官などを歴任。89年退官後、ハーバード大学、プリンストン大学の客員教授を経て、92年から96年まで東京銀行会長。95年12月に国際通貨研究所初代理事長となる。2016年10月より同研究所の名誉顧問に就任。98年には小渕首相の助言役として内閣特別顧問を努めた。著書には「富の興亡-円とドルの歴史」(東洋経済新報社)など。

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