株式会社マネーパートナーズ   ホームページ寄稿 2019年 4月

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第163回「アメリカの身元証明」

2019年04月01日

株式会社マネーパートナーズ   ホームページ寄稿 2019年 4月

 17世紀の始めにピルグリムズ・ファーザー達が小さな植民地を作った頃のアメリカは苦難に満ちてはいたが明快な社会であった。集まったのは志を同じくするアングロサクソン系の白人のプロテスタントだったから、全員が自分達は何者であり何のためにここで生きているのかが良く判っていた。身元(アイデンティティー)がはっきりしていたわけである。それから400年、アメリカの社会はすっかり変った。6000万人を超える移民がアメリカ人になった。彼等の子孫を含めて総人口は3億近くにふくらんだ。始めは西欧・北欧が多かったが、南欧・東欧に拡がり、さらにアジア、中近東、アフリカ、中南米と文字通り世界中から移民が押し寄せた。それに伴って、多様な宗教、言語、文化がアメリカ社会に混入したのである。

 その結果起ったのはアメリカの身元が判らなくなったことである。英語を話せないアメリカ人が現れ、星条旗に忠誠を誓うことを知らない子どもも出てきた。

 しかし、かと云ってアメリカ社会がバラバラになってしまったわけではなかった。それを劇的な迄に鮮明に教えてくれたのが、2001年9月11日、オサマ・ビン・ラディンが計画・実行した同時多発テロである。ニューヨークのワールド・トレードセンターだけで5000人以上が殺された。アメリカ人はこの事件で、忘れかけていた自分の身元を思い出したのである。アメリカが危機に晒されており、アメリカ人としてそれと戦わねばならぬのだという連帯意識である。9月11日と12日の2日間だけで40万本の星条旗が売れたという。考えてみれば1945年12月8日の真珠湾攻撃の日もそれに似ていた。

 アメリカ社会がこれ程多様化し、曖昧化しているのに、多くのアメリカ人が依然それへの強い帰属意識を持っているというのは、やはり彼等が多様で自由なアメリカ社会の良さを実感しており、それを守るためには犠牲を払わねばならぬことを理解しているからだろう。

 最近アメリカ社会が二極化していることを批判する議論が多い。そしてその原因は一貫性がない、非常識なトランプ政策にあるというのが多数意見である。

 アメリカ社会の二極化が非常に憂慮すべきことであるのは全くその通りである。この事態はアメリカの持つ貴重な強みを失わせてしまう。だが、二極化とは何だろう。金持ちと貧乏人、学歴の有る無しとかいろいろ云われる。それは間違ってはいない。しかし基本的なことは、アメリカ社会の正しいアイデンティティーである「自由で多様な社会の良さ」を享受している人達と、自分達は享受していないと思っている人達のグループが対立しているということではないだろうか。残念なことに、アメリカの現状は、トランプ政権が必要以上に劇場型、キャッチフレーズ型であるために、この基本的な問題が、共和党と民主党、親トランプと反トランプという対立とごっちゃになってしまっている。来年末の大統領選挙迄に何とかこの対立の構図が明確に国民に理解されることがアメリカにとって大事だと思うのだが。

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プロフィール

  • 著者近影 行天 豊雄(ぎょうてんとよお)
    1931年生まれ。55年東京大学経済学部卒業後、大蔵省に入省。プリンストン大学留学。国際通貨基金、アジア開発銀行に出向、国際金融局長、財務官などを歴任。89年退官後、ハーバード大学、プリンストン大学の客員教授を経て、92年から96年まで東京銀行会長。95年12月に国際通貨研究所初代理事長となる。2016年10月より同研究所の名誉顧問に就任。98年には小渕首相の助言役として内閣特別顧問を努めた。著書には「富の興亡-円とドルの歴史」(東洋経済新報社)など。


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