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第164回 「ITかおにぎりか?」

2019年05月08日

株式会社マネーパートナーズ   ホームページ寄稿 2019年 5月

 先月、広州・香港・澳門の三つの市政府が共同してPRと投資誘致のためのシンポジウムを東京で開催した。日本側800人、中国側700人参加の盛会で賑わった。この三市は珠江口を取り囲んで東莞、恵州、深圳等中国のハイテク立国を牽引する高成長センターの集積地である。総人口7000万人超、ニューヨーク、東京、サンフランシスコと並ぶ世界有数のグレート・ベイ・エリアを誇っている。

 三市代表が交々に語る明るい未来像は当然と云えば当然だが、強く印象に残ったのはこの人達がモノ、カネ、ヒト、情報というあらゆる経済要素がどんな格好であれ「動く」ということがビジネス、つまり金儲けの源泉であるときわめて率直に確信していることだった。云い換えれば、中国の経済官僚や経営者にとってすべての出発点は「変化」なのである。

 何故印象に残ったのかと云えば、これに対する日本代表達のメッセージが「安定」と「継続」と「伝統」の重要性だったからである。どちらが正しいか、間違っているか、あるいはどちらが良いか悪いかという議論はそもそも何のためにビジネスをするのかから考えねばならぬから余り意味が無いだろう。ただ、日本人と中国人のビジネス感覚にはそういう違いがあるということである。

 もう一つ面白かったのは、両国の若いベンチャー・ビジネスマンが経験談を披露したセッションだ。中国側のエピソードは全部がITがらみの話だった。彼等の頭の中にはそもそもビッグ・データやAIやIOT以外のものは入っていないようだ。これに対する日本代表はおにぎり屋のチェーンだった。日本産の美味しい米を使い、具に凝り、キメ細かいサービスを売りにして香港で大成功し澳門への進出を計画している。将来の夢は「おにぎりのスター・バックス」だという。

 ITとおにぎり、これも正否善悪は判らない。ただ、日本と中国はこういう風に違うという話である。

 過去三十年、日本は概して云えば、変化を求めて新しい道を進むという生き方をしなかった。バブルで大失敗をし、不可抗力の天災に襲われ、何をやっても巧く行かないとなれば、下手に動くよりも旧守安定が良いということになったのだろう。問題はこの間に中国をはじめとするアジアの諸国が「変化の魅力」に目覚めたことである。アジア太平洋全域で従来の秩序が揺らぎ、新しい力関係の形成を求める動きが始まっている。しかも、その新しい力関係の内容が昔のようにそれぞれの国の経済力、軍事力だけでなく、情報革命、ポピュリズム、地球環境保護、社会主義的平等といった多様な問題の実情や、それについての政府や有権者の対応によって影響されるという厄介なことになっている。

 21世紀の世界でのサバイバル・ゲームは20世紀でのそれに較べると文字通り総合的な国力での勝負になって行くだろう。どのような力を強化することが最も有効であるかを考えなければならないのだ。ITかおにぎりかというのもそこで出てくる問題なのである。

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プロフィール

  • 著者近影 行天 豊雄(ぎょうてんとよお)
    1931年生まれ。55年東京大学経済学部卒業後、大蔵省に入省。プリンストン大学留学。国際通貨基金、アジア開発銀行に出向、国際金融局長、財務官などを歴任。89年退官後、ハーバード大学、プリンストン大学の客員教授を経て、92年から96年まで東京銀行会長。95年12月に国際通貨研究所初代理事長となる。2016年10月より同研究所の名誉顧問に就任。98年には小渕首相の助言役として内閣特別顧問を努めた。著書には「富の興亡-円とドルの歴史」(東洋経済新報社)など。


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