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第646回 2016年2月4日~2月10日までの為替見通し

2016年02月04日

 このところの激しい為替変動が示唆する世界経済の足元~近未来はアメリカ、中国、欧州、ロシアなど大国の経済的地盤沈下です。

 2003年頃から先進国に活力を与えると期待され、注目されてきたBRICSが石油価格の低迷とともにこぞって不況化することで、「まだマシ」という意味で世界のマネーが米国債などに回帰する道筋をたどる点で先進国延命という意味でうまくできたスキームだったわけですが、ひとつ、読み切れない「ブラックスワン」的要素として息を潜めているのはアジアインフラ投資銀行運営に伴う中国の「元切り下げ」の可能性でしょう。


 中国はかつて日本がたどったように過剰生産設備をもてあましています。それをアジアインフラ投資銀行の投資先に輸出という形で稼動させれば、いずれは中国に貿易黒字がもたらされ、国勢も再度増します。

 関西には「損して得取れ」との考え方がありますが、中国はこのスキームを成功させるために「元切り下げ」のカードを切ってくる可能性があります。すると対円為替相場は円高元安、円高ドル安(ドルの価値の維持)に振れそうです。


 正月早々にジョージ・ソロス氏は「中国リスク」を強調しましたが、ソロス氏は前回のユーロショックの前にも「ユーロリスク」を指摘し、実際にユーロ不安が顕在化したときにはドテンしてジャンク・ボンド化したユーロ債を買い、大儲けしたといわれます。


 今回もそうした流れの一環として類推すると、彼のような国際投機家は中国経済の大復活を見越した「買いたい弱気」なのかもしれません。


 一方、アメリカにしてみると中国の再台頭はG1のプライドから見過ごせないことでしょう。スプラトリー諸島の滑走路建設といい、アメリカの文脈からはとても容認できない動きであろうと推察します。

 しかし、G1の地位維持にはお金がかかります。それをどうするりか? 今般の円高回帰の振れにはそうしたアメリカ側の文脈を読み込む必要がありそうです。3月のFOMCまでにアメリカが金利正常化に動けるのかどうかも要注目でしょう。


 私たち個人投資家は波が高くなってきた市場の波浪警報をすでに体感しているわけですから、アジアインフラ投資銀行の今後の動向とアメリカの大統領選挙の趨勢を注視しつつ、手に負えない波の高さになるかどうか、なったら自分の投資戦略はどうするのかを今からしっかり検討し、準備しておくべきですね。

 さて、チャート分析による今週の為替レンジは以下のとおりです。先週に引き続き、振れ幅は大きめにとっています。



●米ドル

上値抵抗 120.192

均衡118.100-117.803

下値支持116.924-116.008


●ユーロ円

上値抵抗130.675

均衡129.533

下値支持127.249


●豪ドル円

上値抵抗86.074

均衡85.679-84.760

下値支持81.740

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プロフィール

  • 著者近影 木村佳子(きむらよしこ)
    ・経済評論家 (専門分野)個人投資家向けの資産運用、投資情報分析。 ・日本IRプランナーズ協会CIRP(同協会 理事) ・日本ファイナンシャルプランナーズ協会上級資格/CFP取得/ ・国家資格/一級FP技能士 ・国際テクニカルアナリスト連盟認定MFTA ラジオ日経社において個人投資家向け経済情報番組のキャスターを担当。現在、経済アナリスト、資産運用アドバイザー、評論家として活躍。経済誌、マネー雑誌等で執筆機会が多く、国内外で講演。公的機関、大学などで講師も務める。多摩大学大学院経営情報学研究科博士課程前期終了・経営情報学修士MBA。2015年、早稲田大学大学院フアイナンス研究科修了(学位/専門職MBA/フアイナンス修士)。 【公式HP:木村佳子のマネープラン※当社管理外のサイトに遷移します】

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