今から3年も前のことですが、当時のロイターが気になるニュースを配信していました。ドイツのメルケル首相が2013年9月22日の総選挙で再任されれば、任期の2017年を待たず、2016年中にも退任するという内容でした。
(当時の記事 http://jp.reuters.com/article/l4n0g845z-merkel-weekly-magazine-retire-idJPTJE97601U20130807)
同じ時期にメルケル氏を国連の代表に担ぐという話も出ていました。情報源は明かされませんでしたが、ユーロ圏を束ねるメルケル氏を早く、首相から退いてもらいたいと考える人たちがいるのかもしれません。
このたび、行われたドイツ国内3州で実施された地方選で、メルケル氏率いる保守系与党・キリスト教民主同盟(CDU)は敗退。かつてメルケル氏が積極的に受け入れた難民問題への国民の不信と不満が反映された結果とみられています。
しかし、現在のところメルケル氏に代わる人材が見当たらないため、冒頭にご紹介したロイターの記事のように2016年にも首相の座から降りる可能性は低いとみられます。
しかし、2017年にはメルケル氏は任期満了。なんでも早めに織り込む市場の習性を考えるとユーロ安円高を意識して、早々にも荒れる場面があるかもしれません。メルケル氏が政権から去った後のユーロへの不安材料の台頭は日々、意識しておく必要がありそうです。
8月に夏季オリンピックを開催するブラジルの経済も厳しいだろうと思います。インフラ投資はオリンピック鑑賞に訪れる観光客のインバウンドで補えると踏んでいたものの、同国でジカ熱発生したことにより、来訪者減が予想されそうです。9月のブラジル経済指標は弱含みとみておいていいでしょう。
6月23日のイギリスのEU離脱国民投票とポンド相場、7月10日の参議院選挙の結果やその後の組閣、国会もリスク要因として意識されます。今回、消費増税を見送れば、将来的には日本の財政が厳しくなることもいつか材料視されるでしょう。
そうした国際情勢や将来のリスクを踏まえつつ、米国債ファイナンスへの国際マネー流入を円滑化するためにFOMCの金利政策が調整され続ければ、都度都度、目先と長期のボラテイリティが発生する可能性を今から考慮しておくべきでしょう。
トレンドははっきりしないように見えて、実はドル安円高トレンドがほのみえると考えるのは私だけでしょうか。いずれにしても環境に賢明に対処したいですね。
●ドル円
上値抵抗112.914
均衡112.101
下値支持110.203
●ユーロ円
上値抵抗125.519
均衡124.624
下値支持122.535
●豪ドル円
上値抵抗84.805
均衡83.603
下値支持82.000