(ゴールデンウイークで一週、コラムが飛びますが、特筆すべきことが起こったときは営業日ベースで一本、上梓するかもしれません。よろしくお願いいたします。木村佳子)
リーマンショックの余波で多くの人が大なり小なり何らかの損失をかこっていた時、相場変動でトレード収入が上がり、一人勝ちの様相になっていたアメリカの大手金融機関・ゴールドマンサックス。ところが今年、1-3月の決算では60%もの減収減益、収入は-40%という大苦戦に苦しんでいます。
また相場が大きく動けば利益を獲得できるかもしれませんが凪相場では本領を発揮できないようです。
今日4月28日は日銀政策現状維持の発表があるや、為替が一気に2円も動き、午前と午後では株式市場も様変わり、という激しい相場展開がありましたが、このような大変動でデリバティブで稼ぐのが外資大手の得意とするところではないでしょうか。
ゴールドマンだけでなく、世界の運用機関の中に、変動こそ大歓迎、と減収減益に苦しみながら、「大荒れ」を望んでいる主体がいるのではないかと思います。
そうした大手主体にとってイベントは恰好の仕掛けどころかもしれません。
日銀がマイナス金利第一弾を打ち出した時も、相場は大きく動きましたが、今日のような見送りでも大変動となると、FOMC、日銀の政策発表内容にかかわらず、これから指標イベントデーを狙った大変動がまた、起こる可能性がありそうです。
おりしも、外国人投資家は日本株においてマザーズ銘柄を買い越し。一部二部株よりもマザーズにシフトしている模様です。マザーズはご存知の通り、変動幅の大きい展開となりがちです。
六月決算を前に何とか儲けて夏休み、という路線も考えられます。もともとマザーズが動くと、相場はそろそろ、手詰まり感台頭ともいえるので、この先も為替、株とイベントデーには要注目です。
そこに地震災害や個別株の不祥事が続くうえ、5月10日にはパナマ文書の日本企業、個人名発表などと報道されています。伊勢志摩サミットがあるから、と、楽観シナリオ一辺倒はリスクですね。
チャート分析では、ドル円で108円割れの様相が色濃くでています。106~103円もあって不思議ではないパターンになっていますので、動向を見守りたいところです。
ちなみに元日銀政策委員の中原伸之氏は110-107円あたりがまずまず居所のいい水準とし、もっとドル安円高傾向が出たときは、対策も必要だが100円を割れるようなことはないとブルームバークのインタビューに答えておられます。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-26/O68AMX6JTSE801
この記事にある「アメリカの具合の悪さ」に触れた部分に注目です。アメリカの風邪は日本の肺炎とすれば、今年から来年にかけて何らかのリスクシナリオが顕在化するのではないかと思います。それが大統領選挙なのか、日米の金融政策なのか、ブラジルオリンピック後のブラジル経済なのかは今のところわかりません。
しかし、まだこの先に大きな変動=リスクがあると意識していれば損失回避のトレーディングにつなげられると思います。
●ドル円
上値抵抗111.678
均衡109.951
下値支持107.668
●ユーロ円
上値抵抗124.281
均衡123.430
下値支持120.127
●豪ドル円
上値抵抗84.774
均衡83.064
下値支持79.467