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第666回 2016年7月7日~13日までの為替見通し

2016年07月07日

 次第にリーマンショックの時と状況が似通ってきました。ジョージ・ソロス氏が登場し、イギリスEU離脱国民投票で同氏がドイツ銀行株の空売りをしていることが周知され、そこにまさかのEU離脱の選挙結果でした。

 この結果を利用した為替、株価が人工知能を駆使したヘッジファンドの売買によって大きく動き、消失したのが1300兆円。

 それが一服すると、イギリスから企業が脱出する懸念が言われ始め、日本企業もイギリス拠点を見直すなどのニュースが出てきます。費用はすべて企業側。すると配当原資も減り、投資家は減配リスクに身構えます。

 さらに追い打ちをかけてFRBからもIMFからも銀行のストレステスト結果が実名入りで発表されます。

 FRBからはストレステスト(健全性審査)に続いて公表した包括的資本分析(CCAR)が公表されましたが、ドイツ銀行とスペインのサンタンデールの米子会社を再び不合格とし、資本計画に「広範囲でかつ著しい脆弱性」がみられると指摘しました。

 国際通貨基金(IMF)が発表した「金融システム安定性評価」レポートでは世界的システミックリスクを抱える28の銀行のリスクの度合いが実名入りで示され、ドイツ銀行、HSBC,クレディ・スイスと欧州の銀行がトップを占めました。

 ジョージ・ソロス氏の慧眼に感服する一方、情報の同一性といいますか、情報の持つ力の方向性の不思議な一致に奇怪な気持ちを覚えるのも事実です。


 7月29日にはECBから欧州の銀行のストレステスト(健全性審査)が発表される予定ですが、現在、不良債権圧縮を勧告されているモンテ・パスキが不合格になれば、イタリア政府が単独で同行の資本増強に向けた支援をすることが難しくなるといわれます。

 するとモンテ・パスキの経営に関するネガティブな見通しから金融不安に連鎖していく可能性は考えておいてもよさそうですね。


 ここまで来たらもう、ほとんどリーマンショックの時の流れとほとんど一緒と感じられる方もいるかと思います。時間的には2007年7月と状況が非常に似ています。


 一方、アメリカではオバマ大統領が大統領専用機からヒラリー大統領候補を伴ってタラップから降り立つ姿がニュース種となっており、任期が迫るドイツ・メルケル首相との対比として感慨深いものがあります。

 FRBの訴追もなくなり、サンダース上院議員の支持も得られそうとあってはヒラリー女史のアメリカ大統領への実現可能性もいやが王にも増してきたように感じられます。

 現在、メルケル首相のもとでまとまっているユーロ圏の予断を許さぬ今後と円高が追い風になるアメリカとを比較すると、世界のマネーの行く先もおのずと決まってきそうですね。

 今回の一連の大きな変動で為替や株で大きくやられてしまった投資家から見ればIMFもFRBも国際仕手筋のような立場の投資家には実にタイムリーにニュースソースを提供しているように見え、なんとも割り切れない気持ちを覚えておられるかもしれません。

 しかしながら、切歯扼腕という方向に脳みそを使わず、淡々と危機と向き合い、リスクヘッジを手厚くして時を過ごしたいものです。ストレスは脳活には禁物ですから。

 リスクヘッジといえば10日は日本の参議院選挙もあります。どこの政党が多くの議席を獲得するかで経済の動向にも影響してきますので、こちらにも注意を払っておきましょう。安倍首相には2007年デジャブ感はそれこそ避けたいものだと思われます。自身が伊勢志摩サミットで口にしたものの、その後、まさかの展開に見舞われたのですから。



●ドル円

上値抵抗101.801(日銀の追加政策が出た場合は瞬間104円方向の可能性あり)

均衡100.502

下値支持99.904


●ユーロ円

上値抵抗112.340

均衡109.390-111.792

下値支持104.481


●豪ドル円

上値抵抗77.608

均衡76.992

下値支持70.312

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プロフィール

  • 著者近影 木村佳子(きむらよしこ)
    ・経済評論家 (専門分野)個人投資家向けの資産運用、投資情報分析。 ・日本IRプランナーズ協会CIRP(同協会 理事) ・日本ファイナンシャルプランナーズ協会上級資格/CFP取得/ ・国家資格/一級FP技能士 ・国際テクニカルアナリスト連盟認定MFTA ラジオ日経社において個人投資家向け経済情報番組のキャスターを担当。現在、経済アナリスト、資産運用アドバイザー、評論家として活躍。経済誌、マネー雑誌等で執筆機会が多く、国内外で講演。公的機関、大学などで講師も務める。多摩大学大学院経営情報学研究科博士課程前期終了・経営情報学修士MBA。2015年、早稲田大学大学院フアイナンス研究科修了(学位/専門職MBA/フアイナンス修士)。 【公式HP:木村佳子のマネープラン※当社管理外のサイトに遷移します】

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