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第683回 2016年11月24日~30日までの為替見通し

2016年11月24日

 株価、為替のマーケットは「夢」で走って「現実」で一服という傾向があり、その意味では第45代アメリカ大統領にトランプ氏が選出され、「さあ、これから!」という今が一番動きのいい時だといえるでしょう。

 何しろ12月4日にはイタリアで国民投票があり、その後にSQ、FOMC、安倍・プーチン会談とイベント目白押し。
 イタリア国民投票に関してはもちろん短期決戦型資金を扱うヘッジファンドも虎視眈々と狙っているはず。何しろブレグジットでも今回のアメリカ大統領選挙でも、味わった飴のおいしさにはしびれているはず。
 またぞろ、「大丈夫」「大丈夫じゃない」と玉虫色に引き付けておいてドボン! 人工知能をフルに駆使したソフトで儲け最大級をどのファンドも狙っていることでしょう。その波の大きさと自分の資力の相対比較ができる感覚があるかどうかが凡、非凡の資産運用の分かれ目です。
 漁師が大きな津波が予想されるときに大切な船を沖に逃がす知恵のようなものを少額投資家である個人も参考にしなければならないですね。
 しかし、人間はおおむね欲どおしいものです。自分に都合の良いさじ加減で「ここまでは大丈夫」と安心したがり、かつ、爪を伸ばしたがる生き物なんですね。
 結果は、「まさかこんなことになるとは思いもしなかった」という結果になることが多いのは資産運用の世界で繰り返される物語です。
 名執刀医の言葉に「いろんな事態を予想し、緊急事態が起こったとき、この方法で乗り切ろう、と決められるように準備する」いう名言があります。その戦略性、準備力が大いに参考になります。

 今は大急ぎでクリスマス休暇資金を作ろうと、資金が一斉にトランプ相場の「夢」で走り、目先的には「いつ、だれにも気つかれずに降りようか」と考えている投資家が多いという点を忘れたくないですね。

 とにもかくにも来年はユーロに大きな正念場が起こりそう。しかも、安倍氏はトランプ氏就任演説ではしごを外される格好になるTPP問題で2月以降、野党の攻勢にさらされるリスクが強まりそうですし、都議会選挙結果も読みが難しいです。ほかにも、南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊部隊の安全問題や日米同盟の強固さのお手並み拝見作戦が他国によって企画され、南海域で起こらないとも限らない。
 すると三期9年に任期延長が図られたとしても、本来の任期一年前となる9月頃に進退に関する難題が起こる可能性もありそうです。
 一方、レーガン大統領をほうふつとさせるトランプ氏にもレーガン大統領暗殺未遂事件が就任直後の3月に勃発したことを意識しなければならないでしょう。もっとも、トランプ氏の身辺警護隊は優秀なので過度の心配は無用としても3月リスクは意識したいものです。2017年3月というとオランダ国民投票もあり、投資環境は極めて視界不良です。
 ということは今のドル高もトランプ大統領就任前の打ち上げ花火的な位置付けで冷めた目で見るほうが無難ではないでしょうか。

 というわけで、今週の為替見通しは以下の通りです。私の中長期的視点では来るべきユーロ大波乱の嵐の前のひと時という位置ずけです。もちろん、嵐は大チャンス。準備を怠りなくしたいものですね。

●ドル円
上値抵抗113.263
均衡110.106
下値支持109.602

●ユーロ円
上値抵抗120.196
均衡116.576
下値支持115.273

●豪ドル円
上値抵抗84.599
均衡81.435
下値支持80.983

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プロフィール

  • 著者近影 木村佳子(きむらよしこ)
    ・経済評論家 (専門分野)個人投資家向けの資産運用、投資情報分析。 ・日本IRプランナーズ協会CIRP(同協会 理事) ・日本ファイナンシャルプランナーズ協会上級資格/CFP取得/ ・国家資格/一級FP技能士 ・国際テクニカルアナリスト連盟認定MFTA ラジオ日経社において個人投資家向け経済情報番組のキャスターを担当。現在、経済アナリスト、資産運用アドバイザー、評論家として活躍。経済誌、マネー雑誌等で執筆機会が多く、国内外で講演。公的機関、大学などで講師も務める。多摩大学大学院経営情報学研究科博士課程前期終了・経営情報学修士MBA。2015年、早稲田大学大学院フアイナンス研究科修了(学位/専門職MBA/フアイナンス修士)。 【公式HP:木村佳子のマネープラン※当社管理外のサイトに遷移します】

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