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第690回 2017年1月12日~18日の為替見通し

2017年01月12日

 オバマ大統領が歴代大統領では突出して長い退任演説をした一方で、新大統領に就任するトランプ氏が初の記者会見に応じました。
 マネーマーケットの反応はトランプ氏に期待されている財政政策に対する具体的な言及がなかったことからNY株式市場では一時的に下げを見ましたが、引けにかけては戻し、まずはイベント消化という動きになりました。

 具体的な経済政策について何も就任演説前の今、もろもろ発言をする必要はなく、また、手の内を明かすこともないので、見るべきものがなくても問題にすることはないでしょう。

 それよりもメディアや人々の興味はトランプ政権がどの程度、ロシアと親密にやっていくのか見極めたい、という点でしょう。
 その点について、本人が肯定的な意見をいう訳はなく、陣営の一人であるテイラーソン国務長官候補も公聴会においてロシアに対しての厳しい見方を示し、「敵はロシアだけではない」と中国の人工島への懸念にも注意を払う発言をし、親ロシアのイメージを払しょくするのに務めています。

 トランプ氏がこれまでロシア富豪にトランプタワーを販売してきたという実業面での実績だけでなしに、ロシアがトランプ氏のスキャンダルを集め、言いなりになるしかない構図があるのかどうかを追及したがるメディアの質問にはもちろん、トランプ氏はNOコメント。

 イギリスの諜報員が情報源とされるトランプ・スキャンダル報告書がアメリカCIAにも渡っているとの報道がありますが、誰も本物を見ていないらしいことから、トランプ氏の「自分を貶めるためのもの」との主張も無下に否定はできません。
 トランプ氏の会見が始まるやタワー前には多様な人々の抗議デモが展開されたり、何かと騒がしいトランプ氏周辺ですが、それも陣営側のイメージ戦略の一貫かもしれない点で今後も注目ですね。

 視点が会見に引きつけられている時にあえて足元の目立たない動き、大きくは報道されていないニュースにヒントを見つけたいものです。

 12日、安倍首相はフィリピン、インドネシア、オーストラリア、ベトナムの4か国歴訪に旅立ちました。
 その海域は中国の重要な物資輸送のチョークポイントであり、軍事的行動を起こすにあたっての重要拠点にもなりえます。

 安倍首相は何か動きが起こった時のコンセンサス確認に出向いたとみるべきでしょう。もう、トランプ・スキームは始動しているのだ、とみているのですが。

 さて、今週の為替予想レンジです。

●ドル円
2週連続で当コラムで指摘していますように、ドル高方向に引っ張られてきた動きはいったん、一服かと思います。
上値転向116.557
均衡115.475-114.027
下値支持①112.376
下値支持②110.128

●ユーロ円
上値抵抗125.525
均衡120.490
下値支持119.497

●豪ドル円
上値抵抗89.981
均衡85.038
下値支持84.057

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プロフィール

  • 著者近影 木村佳子(きむらよしこ)
    ・経済評論家 (専門分野)個人投資家向けの資産運用、投資情報分析。 ・日本IRプランナーズ協会CIRP(同協会 理事) ・日本ファイナンシャルプランナーズ協会上級資格/CFP取得/ ・国家資格/一級FP技能士 ・国際テクニカルアナリスト連盟認定MFTA ラジオ日経社において個人投資家向け経済情報番組のキャスターを担当。現在、経済アナリスト、資産運用アドバイザー、評論家として活躍。経済誌、マネー雑誌等で執筆機会が多く、国内外で講演。公的機関、大学などで講師も務める。多摩大学大学院経営情報学研究科博士課程前期終了・経営情報学修士MBA。2015年、早稲田大学大学院フアイナンス研究科修了(学位/専門職MBA/フアイナンス修士)。 【公式HP:木村佳子のマネープラン※当社管理外のサイトに遷移します】

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