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第769回 2018年8月9日~8月15日までの為替見通し

2018年08月09日

●ドル円
上値抵抗111.215
均衡110.054-110.796
下値支持①109.778
下値支持②108.723(実現性は低いですが、あれば恰好の仕込み価格ですね)

●ユーロドル円
上値抵抗129.350
均衡128.768
下値支持①127.884
下値支持②127.150

●豪ドル円
上値抵抗83.100
均衡82.126-82.336
下値支持81.033


どこに行っても中国人観光客が歩いている状態の今の日本で、中国経済が弱っているという印象はなかなか持てないのですが、上海総合株価指数の展開を見るとかなりきわどい水準に差し掛かってきています。株価は実体経済の先行指数といわれる点をかんがみると、この先、中国経済がどのような方向に落ち着くのか、注目したいところです。

 目下、徹底的に中国の行き過ぎた突出を平準化しようとしているアメリカ。アメリカの怒りは「そもそもアメリカが中国経済を後押ししてきたのに、そのアメリカを凌駕し、挑戦するとは何事か」というものでしょう。「それならば目にモノ言わせてくれるわ」と具体化しているのがトランプ大統領というわけです。

トランプ・プーチン会談によって実現した米ロ協調路線も伏線として効いていると思われ、この効果が効きすぎて中国経済がハードランディングするリスクにも備える必要があると思います。

 備えるといえば、態度がのらりくらりとはっきりしない、いや、それどころか大陸間弾道ミサイルの開発もまたぞろ、しているのではないかと疑われる北朝鮮にポンペイオ国務長官がねじまきの動き。
 報道にはプロパガンダ合戦とみられるものも含まれている印象なので、実際のところはわかりませんが、アメリカと中国の間で北朝鮮がいろんな意味で「使える存在」になっているのは間違いなく、アメリカがその気になればいつでも北朝鮮問題を火種にできるという点で8月下旬から9月にかけて、不穏な展開になりえるとの説もあることを覚えておきたいと思います。

 さて、中国の現状を知る一助として面白い話が2つほどあります。一つは話題の映画「我不是薬神」です。実話に基ずいた内容で、株価が安値の時に株をただ同然で買い集め、製薬会社の経営者の一人になった女帝ほか二名の役員によって、ワクチンが粗製乱造され、利益をむさぼっているとの内部告発をベースに製薬業界の闇をえぐった社会派の物語。
 この映画の面白さは、かつてメラニン入りの牛乳事件で失脚したはずの役人が習近平氏側近として異例の復活と出世をして、中国の製薬会社指導していることへの批判を含んでいる点です。そして、その批判は習氏との権力闘争に敗れた李克強首相の復権を促す側面も持っている点で見逃せないのです。

 中国ではほかにも、アメリカとここまで対立した責任は習氏の経済政策の誤りとする意見が出ているそうで、習氏の写真に墨汁などが投げつけられている事件が頻発。内需振興策でアメリカとの対立を緩和しようとしていた李氏に復権させようとの動きもあるようです。
 国内外からかようにつつかれている習体制。今後、どのような展開になるか、もし、ハードランディングとなればリーマンショックをしのぐ経済インパクトになると思われますので中国経済の行方を観察し続けたいですね。
 中国の動向もありますが、為替動向はこれからしばらく、ドル安円高方向に引っ張られる日柄かと思います。一ドル110円以下で拾えれば、利確の勝算が高いのではないでしょうか。


※当コラムは毎週木曜日の更新です(木曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 木村佳子(きむらよしこ)
    ・経済評論家 (専門分野)個人投資家向けの資産運用、投資情報分析。 ・日本IRプランナーズ協会CIRP(同協会 理事) ・日本ファイナンシャルプランナーズ協会上級資格/CFP取得/ ・国家資格/一級FP技能士 ・国際テクニカルアナリスト連盟認定MFTA ラジオ日経社において個人投資家向け経済情報番組のキャスターを担当。現在、経済アナリスト、資産運用アドバイザー、評論家として活躍。経済誌、マネー雑誌等で執筆機会が多く、国内外で講演。公的機関、大学などで講師も務める。多摩大学大学院経営情報学研究科博士課程前期終了・経営情報学修士MBA。2015年、早稲田大学大学院フアイナンス研究科修了(学位/専門職MBA/フアイナンス修士)。 【公式HP:木村佳子のマネープラン※当社管理外のサイトに遷移します】

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