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第181回 ~行くところまで行く相場~

2016年01月20日

マネーパートナーズからのお知らせ:2016年1月27日(水)の本コラムは筆者都合により休載します。


 為替、株式相場とも底が見えない状態が続いている。少なくとも、筆者にはそう見える。

 ただ、間違いないのは、2008年9月に起こったリーマンショックとは違うと言うことではないだろうか。その意味では、底値水準が今より大きく下がることはないと思うが、上昇気流に乗るには時間がかかると予想している。


 ところで、リーマンショック(2008年9月15日)後の相場を振り返ってみる。当時は世界の準備通貨になっている米ドルを基本とした金融システムの根幹を揺るがす問題として受け取られ、底なし沼にはまったような恐怖感に陥った。しかし今回のリスクオフは、そこまでの恐怖感はない。根本的な原因がはっきりしているからだ。原油価格の下落と、中国経済の大幅悪化の不安感が背景にある。


 リーマンショックとは、米4位(当時)の米証券会社リーマンブラザース(RB)の破たんである。発表されたときは、まさに青天のへきれき。なぜなら、そこにさかのぼること6か月前、同じ米証券会社のベアスターンズがサブプライムローン問題により倒産危機の状態から、JPモルガン銀行に救済されたからだ。ベアスターンズは第5位(当時)の証券会社、それに対しリーマンブラザースは、より大きい米国4位(当時)。それが突然の破たん!


 当然救済されるだろうと高をくくっていた市場は大パニック。株価の下落が始まった。株価の底値を付けたのは、2009年3月(米FT指数は3月3日、米S&P500は3月6日、日経225は3月10日、ただし上海指数は2008年11月4日が底値)。すなわちショック発生から約6か月間下落を続けたことになる。


この間の主要指数の推移は下記の通りである(出所:株価はWSJ)。

 指数  RB破たん前日
(2008/9/12終値)
 底値  下落率
 米・ダウ平均  11,421.99  6,440.08
(2009/3/9)
 43.6%
 米・S&P500  1,251.70  666.79
(2009/3/6)
 46.7%
 日・日経225  12,102.50円  7,021.28円
(2009/3/10)
 42.0%
 ドル円相場  107.92円  87.17円
(2009/1)
 19.23%

 株価は実に4割を超える下落となった。ただこの間、徐々に低下したのではない。S&P500を例にとると、3月の最底値は3度目の底値で、まさに三度さっぱりであった。最初は約1か月で33%下落した後反転(10月10日)、しかし再び下落し、11月21日にはトータルで約41%まで下落した。そしてその後3か月半は狭い範囲で上下動を繰り返した後、最安値をつけた。その後は、昨年7月まで上昇(2,132.82)となった。


 これに対し、今回(2015年12月末から1月19日まで)の下落幅は約9.3%。まだまだ下がるとの見方は少なくないが、単純にリーマンショック時との比較では下げ方のペースを見れば、パニックに陥っているとは思えない。


 ドル円についても、今日は115.96円と昨年8月以来の円高水準となったが、昨年末からの下げ幅は4.24円(3.5%)の下落である。リーマンショック時のほぼ同期間で9.2%の円高(107.92円から97.94円)であったことを考えると、今までのところは極めて平静な対応である。ただしまだ本当のセリングクライマックスが出ていないことを考えると、もう一段の円高があり、そのあとにドル高が来ると予想している。


 今後、欧州(1/21)、FOMC(1/26~27)、日銀(1/28~29)と中央銀行の決定会合が続く。

 日欧とも昨年12月の例があるので中途半端な手を打てないだろうが、市場の不安を鎮めることが期待される。


 今後1週間の相場レンジとして、ドル円は115.80~117.20円、ユーロは対ドルでは、1.0750~1.1000、対円では126.00~128.50と予想している。

(2016/1/20、小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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