FX・CFD・証券取引のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-

為替大観

最新の記事

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

第187回 ~朝ドラディールを目指す~

2016年03月09日

 為替相場は、刹那的な動きがしばらく続くであろう。3月は材料が多い。しかしどれも今後の方向性を決定打にはなりにくく、一つひとつの材料ごとに短期間で勝負していくことになろう。


 例えば、先週末の米国雇用統計、相場への影響はその日限りで終わった。雇用者数は24.2万人(前2ヶ月の改訂を含めて27.2万人)と予想(19.5万人)以上に良好な数字であり、以前であれば、ドル上昇に効果的な数字であったが、相場への影響は極めて短期的。これまで為替変動要因としては比重が低かった賃金の伸びが材料視され、前月比マイナス0.1%となったことで、強弱入り交じった結果になったためである。


 そして明日のECB理事会でも同じ反応になると予想している。追加金融緩和については、既に広く市場に織り込まれているからだ。預金下限金利のマイナス0.4%への引下げ、月間買い入れ額の月700億(現在月600億)ユーロへの増額、買い入れ対象の拡大(例:社債など)程度だけでは、市場は材料出尽くしで反応するだろう。


 また、これ以下となれば、期待外れとなり、緩和を見込みユーロ売りをしていた筋の買い戻しや失望感で、ユーロは上昇することになる。どちらにしてもユーロは買い戻され、ユーロ円のクロス相場では若干のユーロ高円安となろうが、大層は同様に円高に引きずられると予想している。発表後にユーロが1.05ドルから1.095ドルへ急騰した12月の二の舞になることが十分に考えられる。


 よほど期待以上の策が出ない限り、あるいはこれが最後ではないとのコミットがない限り、ユーロが売られることは難しい。ただこれでユーロ売りが終わりと言うことでなく、テーマが変わってきたと言った方がよい。それは英国のEU離脱問題である。投票は6月なので、行方が不明であることが議論を深める、すなわち不安定な相場が続く要素になっている。


 一方、ドル円については ほぼ過去一か月は112円~114円のレンジ相場の中で売り優勢の地合いが続いている。これは、金融緩和のテーマの賞味期限切れが着々と進んでおり、世界的な低成長、NIRP(Negative Interest Rate Policy:マイナス金利政策)下の信用問題の不安を背景としたリスクオフ優先の地合いになっているからである。この流れは、世界経済に成長しているとの姿が見えない限り変わることはないと見ている。


 この問題の根源は低価格が続いている原油価格だ。昨年12月から顕著になってきたリスクオフによる円買いは、原油価格の下落に端を発したソブリンウエルスファンドや年金基金などの長期投資家や投機家の、株売り・安全資産買いである。原油が堅調さを回復しない限り、リスクオン市場に戻るのは難しいと考えている。原油の一大生産国であるサウジのコストは20ドル前後と言われているが、総負債コストを原油換算すると70~80ドルとの見方もある。実際はそこまで上昇しなくとも、50ドル以上までの回復が必要とみられる。


 それまでは、あまり方向性を求めるのでなく、短期的な上下に乗って取引していくと言う戦略が効果を発揮すると考えている。1週間1テーマのもと、1日15分の中にメリハリをつけ物語を構成する朝ドラと同じ手法である。


 今後1週間の相場レンジとして、ドル円は111.50-114.00円、ユーロは対ドルでは、1.0850-1.1050、対円では123.50-125.00と予想している。

(2016/3/9、小池正一郎)

このページの先頭へ

このページの先頭へ

プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

コラム一覧

鈴木郁雄の実践トレーディング 外国為替古今東西 行天豊雄 外貨投資 転ばぬ先の智慧 田嶋智太郎
市場養生訓 小口幸伸
為替大観 小池正一郎
為替の話・トレンドを掴め! 木村佳子
武市のなぜなにFX 武市佳史

FX取引(外国為替証拠金取引)、商品CFD取引および証券取引に関するご注意

パートナーズFX、パートナーズFXnanoおよびCFD-Metalsは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格とには差額(スプレッド)があります。

取引手数料は無料です。ただしパートナーズFXについては、受渡取引に限り、1通貨単位あたり最大0.40円の手数料をいただきます。

パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの取引に必要な証拠金は、取引の額の4%以上の額で、証拠金の約25倍までの取引が可能です。法人コースの場合は、取引の額の1%以上の額で、証拠金の約100倍までの取引が可能です。

CFD-Metalsの取引に必要な証拠金は、取引の額の5%以上の額で、証拠金の約20倍までの取引が可能です。 国内上場有価証券の売買等に当たっては、最大で約定代金の2.7%の手数料(消費税込み)、最低手数料は取引形態等により異なり最大で2,700円(消費税込み)をいただきます。国内上場有価証券等は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等および有価証券の発行者等の信用状況(財務・経営状況を含む)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)があります。

取引開始にあたっては契約締結前書面を熟読、ご理解いただいた上で、ご自身の判断にてお願い致します。

〈商号〉株式会社マネーパートナーズ(金融商品取引業者・商品先物取引業者)
〈金融商品取引業の登録番号〉関東財務局長(金商)第2028号
〈加入協会〉日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会 日本商品先物取引協会

このページの先頭へ

FX(外為取引)・証券のマネパHOME > マーケット情報 > FXコラム > 為替大観 > 第187回 ~朝ドラディールを目指す~