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第194回 ~台風の目は、日米から欧州・英国へ~

2016年04月27日

 先週末の日銀緩和策検討の報道で市場の雰囲気は一変した。円は一日で2.55円も急落、日銀がマイナス金利を発表した1月29日以来の大幅下落(3.45円)となった。それだけ、市場ではドル下落に備えての持ち高が偏っていたとみられ、不意を突かれた感じとなった。この円安の勢いが続くかどうか、その結果は今日(FOMC)と明日に判明する。


 まずFOMCについては、今回は動かないと考えている。しかしイエレン議長の記者会見がない分、終了後の声明文に注目が集まる。今後の利上げペースや、その方針についての示唆があるば、ドル円は底堅い展開となる、110円割れが少し遠くなる。文面に注目したい。


 一方日銀については、ここまでくれば、何らかの緩和策を出さなければ市場が納得しない状況だ。市場がかなり前のめりに緩和ありとして動いているので、難しいかじ取りに追い込まれている。しかし国債買取金額にも限度がある。今の年間80兆円のペースで進めば、2019年末には発行額の60%以上も日銀が保有することになり、増額するのも限度がある。


 また購入限度に近付いているETF(7.7兆円4/22現在)やJREIT(0.3兆円、同)の限度額を増額するとの期待もありるが、金額的には大きな効果が出るとは考えにくい。何よりも、これで打ち止め、と市場に思わせないようにしなければならない。


 その意味で、111円台になったことは、日銀にとって一種の神風になった。さらに発表日の大きな揺り戻しがなく、着実に110円、111円の節目を超えていった値動きを見ると、ドル円の先行き見通しがドル安の一方向ではなくなったように見える。その意味で日銀にとって、今回絶対緩和策を入れなければならないという追い込まれた立場にならないとも言える。


 4月初めに110円割れた後のドル円続落の勢いから、105円まで一気に進むかと思われた悲壮感(?)に比べると、今は、111円がサポートラインになってドル売りへの勢いをおさえている状態になっている。2月以降もドル円の下値は111円が一つの壁になっているが、それでも多少の円高は容認できる状態と考えたい。そして本当の勝負は日米欧とも6月に来ると予想している。


 それ以上に今週以降に注目したいのは、欧州、中でも英国の政治動向である。6月23日のEU脱退レファレンダムの前に行われる重要な選挙が、日本の連休中の実施される。5月3日にはロンドン市長選、5月5日にはスコットランド議会選挙がある。


 EU脱退の動きを左右するような重要な選挙であり、EU脱退派、スコットランド独立派が勝つようなことになれば、ポンド売り、ユーロ売りが再燃する恐れがある。それがドル円にもかなり影響を及ぼす可能性がある。今週は日米に目が行くが、来週からは欧州に目を向けていかなければならない。


 今後2週間のドル円の相場レンジは、109.50-113円と予想。ユーロは、対ドルでは先週と同じく、1.1200-1.1400、対円では124.00-127.00と予想している。

(2016/4/27、小池正一郎)


***次回は5月11日となります***


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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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