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為替大観

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第197回 ~ドル買い準備~

2016年05月25日

マネーパートナーズからのお知らせ:筆者都合により、今週の更新は2日(木)の予定 となります。


 今月のメインイベントは、明日から始まるサミットで終了するが、結論は各種報道で既に見えているので、よほどのハプニングがなければ、為替市場には影響することはないだろう。相場も一足早い夏枯れのように、出来高が減少。これも、6月に予定されている、盛りだくさんのイベント待ちだからだ。


 ここ1週間は110円を挟んで方向感の出ない綱引き相場となっている。しかし、日足ベースでは、5月3日の105.55円を底に徐々に下値を切り上げ、三角持合いの最終局面に進んでおり、来週中には持合い放れとなる形状に見える。決算が5月末に終わるヘッジファンドはじめ投機筋は、いよいよ次の局面に備えて着々と準備を進めているはずだ。そこで、今後の主なイベントと筆者が考えるチェックポイントをまとめてみたい。


 まず、今週金曜日27日に米第1四半期GDPの改訂値発表がある。速報の0.5%に対し、0.8~0.9%への上方改訂が予想されている。過去の数字と言えども、上方改訂自体が好感される可能性が高い。しかも2010年以降の四半期別の平均を見ると、第1四半期が0.75%であるのに対し、第2四半期は3.05%と急上昇していることが分かる。


 1-3月は冬季で経済活動が鈍るという季節要因を考えれば、今年の1%以下の数字に心配することはない。それ以上に過去の平均値を上回る数字が出てくれば、米経済への成長期待からドル高材料になる。欧米でもこの点に注目して記事が出てきたことに注目したい。


 一方、GDPは過去の数字で、むしろGDPナウと言われる現在(第2四半期)が大事、との見方もある。この数字は過去の平均値には及ばないが、17日現在2.5%と高い(FRBアトランタ)。その上、最近発表になった住宅関連指標は予想外の高い数字となったことで、あらためて米景気の堅調さが意識されてきた。


 昨日発表された5月新築販売は前月比16.6%増(前年比でも23.8%増)の619千戸(年率)と8年ぶりの高水準となった。また住宅着工、中古住宅販売も前月比増加(かつ予想以上の増加件数)と昨年8月以来の全指数増加の好調さを示した。一時心配されたリセッションの懸念から一転、6月利上げの可能性を高めることになった。先週発表されたFOMC議事録の見方を裏付けた形である。


 そして、来週6月1日の製造業景況指数(ISM)を経て、6月2日にはOPEC総会が開催される。これはどちらかと言えば中立の見方が多く、最近のカナダ山林火災による供給不安などから、原油価格は堅調であり、産油量削減の議論は大きな主題にはならないとの見方が強い。またイランは上限策定には反対の立場を取っており、合意形成への期待も大きくない。


 しかし筆者は潜在的にはドル高材料になると筆者は予想している。サウジアラビアでは石油相が交代し、原油戦略に変更の可能性があるとの見方だ。その過程で、上限決定などのシグナルが出れば、リスクオンへは好材料になるので、これまで以上に注目していきたい。また、シカゴの投機ポジション(CFTC)でも、先週17日現在、前週比27%増の大きな買い越しとなっており、23日には49.50ドル(WTI先物)と2015年10月以来の50ドルに迫っている。このままいけば、7月以降は原油価格前年比プラスとなることも留意点だ。そして3日には、米雇用統計が発表になる。


 今後1週間のドル円の相場レンジは、109.20-111.00円と予想。ユーロは、対ドルでは、1.1050-1.1250、対円では121.80-123.80と予想している。

(2016/5/25、小池正一郎)


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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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