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第205回 ~視線は右肩上がりの米ドル~

2016年07月20日

 予想以上にドルは堅調だ。トルコのクーデター騒ぎにはびっくりしたが、それも収束されたことで、ドル円はしっかりした足取りで再度山登りを始めた。これまでは急こう配の登り(円高)に息切れをしたが、いったん酸素の濃いふもとに戻ってエネルギーを蓄えて、満を持して再出発した、との感じだ。


 先週金曜日(7/15)には、Brexit直前に一瞬はねて106円台を付けた日を除くと、ほぼ1か月ぶりの106.31円までドルは上昇。今週に入ってもその勢いは維持され、それも日ごとに上値が切りあがっており、ドルの堅調さが際立っている。


 また短期(21日)移動平均線(103.32円)も上向いてきた。今日現在の中期(89日)線は107.74円だが、これから日々低下していくことを考えると、このままいけば今月中には短期線が中期線を上回るゴールデンクロス達成も視野に入る。


 明日のECB理事会をスタートに、来週は米国・日本とも金融政策決定会合が予定されているのでまだ予断を許さないが、短期的には、市場のセンチメントは間違いなくBrexitの混乱からは抜け出したとみてはいいのではないだろうか。


 このドル高の動きを要因の中心は、何よりも米国経済が予想以上に堅調な指標が続いており、結果として、米金利が上昇してきたことである。米10年国債が史上最低値の1.323%を付けた7月6日から今週には1.604%まで回復、Brexit投票前の水準に戻った。シカゴCMEのフェドウォッチで、FRBの金利引き上げ予想も上昇しており、それだけ、米経済の成長軌道回復を好感していることがわかる。


 この傾向は、7月に入ってISM指数の発表から始まった。製造業(予想51.3に対し、実績53.2)、非製造業(予想53.3に対し、実績56.5)と回復ぶりを意識していたところ、雇用統計(7/8)の発表が決定的な材料となった。


 確かに、発表当日は、あまりにも大幅な増加ぶり(前月の1.1万人から28.7万人に増加)に、1か月の数字だけでは判断はできないとして、ドル円相場は小動きに終始したが、その後の世界的な株価の反騰を受けてドル買い円売りに火がついた。


 その後発表になった米国経済指標はすべて予想以上の増加である。小売売上高は、+0.6%(予想+0.1%)と3か月連続増加、特に過去3か月増加率は年率換算で+8.4%と前月(+5.8%)より加速している。また鉱工業生産は+0.6%(前月比、予想は+0.3%)と増加、昨日発表になった住宅着工も118.9万戸(予想116.5万戸、年率)と前月比+4.8%と増加した。


 そのうえ、物価の上昇も加速している。前年比では低いが、最近3か月で見ると急激に上昇している。生産者物価は総合指数は12か月では+0.3%だが、過去3か月では年率+4.5%(コアでは、12か月+0.4%に対し、過去3か月年率+2.2%)の上昇だ。一方消費者物価指数では、12か月、3か月(年率)の順で、総合では+1.0%,+3.4%、コアは+2.3%,+2.3%と、いずれもFRBのインフレターゲット(2-2.5%)に達している。


 金利面で見ると、米国の物価上昇により、それだけドルの実質金利が低下することになるためドル安円高に結び付くが、ドル金利の上昇が物価上昇率を上回ることでドル円は上昇する。この意味で、8月2日発表にPCE(個人消費支出)の価格指数(5月コアは年率+1.6%)が大きく注目されてくる。


 もちろんリスクもある。FOMC(7/26-27)では、変更なしの予想だが、今のドル高は日銀(7/28-29)の何らかの追加緩和の期待が背景にあるからだ。これまでの追加緩和は2次(2014/10/31)、3次(2016/1/29)とも展望レポートの発表日だったが、今回は展望レポートの中間評価がある月だ。安倍首相が公約に掲げた3本の矢の強化として財政と金融のてこ入れとして何らかの緩和策が発表になるとの期待が大きい。それゆえ、なにもなかった時の反動(ドル円下落)も大きくなることは避けられない。


 今後1週間のドル円の相場レンジは105.20円-107.50円と予想。ユーロは、ECBが政策変更なしと予想されることからいったんユーロの買い戻しが入り、対ドルでは、1.0950-1.1150、そして対円では116円-120円と予想する。

(2016/7/20、小池正一郎)


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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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