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第219回 ~地殻大変動~

2016年11月09日

 まったく予想外の展開となった。米国テレビの実況中継を見ながら書いているが、トランプ候補有利の報に、現地でも「アメリカ政治市場、最大の番狂わせだ」と、大方の予想を覆す結果に声を失っていた。まさにサイレントマジョリティの勝利となる。これで2016年は英米ともに国の形を変える動きが出ることになり、歴史に残る重要な年になるだろう。

 投票者数で見てもトランプ候補への投票も約130万票多い(午後3時半現在)。それほどまでに現状不満勢力が米国を覆い、既成勢力追放の声が強いことがわかる。トランプ候補は、まさにオバマ大統領の“チェンジ”を奪い取った形だ。

 市場はクリントン勝利を織り込んでいて、個人的にも同じ気持ちでいた。トランプ大統領誕生の可能性が高まったことで、金融市場はその驚きを素直に反応、リスクオフが拡大し、株、ドル相場とも大暴落、ドル円は100円割れも視野に入る展開だ。

 これまで筆者はドル高予想であったが、根本的に考え方を変えなければならないかもしれない。まだ消化不良の状態だが、少なくとも、トランプ新大統領の政策が明らかになるまで、ドル高に反転することは難しいと思われる。合わせて、ドル高要因の一つであった米国の利上げも難しくなったとの見方もドル高派にとってはマイナス要因だ。

 そこで、今後の考え方だが、大事な点はトランプ氏の過去でなく、未来の姿に焦点を当てることであろう。政治家でなくビジネスマンであるトランプの経済、外交政策が、本当に米国の力になるのかどうかである。選挙戦の期間中、お互い足の引っ張り合いで、あまり実質的な政策論議がなかったが、「アメリカを再び偉大に」とのスローガンで、トランプ氏が政策として何を打ち出すかを、よく見なければならない。意外に、思った以上に大胆な産業拡大政策、雇用拡大政策を打ち出すかもしれない。また、今後政権を担う閣僚が決まってくることになるので、その人選にも注目したい。

 FRBの利上げ可能性であるが、個人的には、まだ消えていないと考えている。FRBは独立性を重んじており、12月の雇用統計を見たうえで、大きな減少がなければ利上げの既定路線を維持するとみている。それが実現できれば、資金は米国に流れ、株、ドル相場も回復することになる。

 今後1週間のドル円の相場レンジは、100.20円– 103.00円。ユーロは対ドルでは1.1150-1.1350を予想、対円では113.50-116.00円と予想している。
(2016/11/9、小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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