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第220回 ~トランプ100日計画~

2016年11月16日

 トランプショックから「トランプディール」変わって早や1週間。トランプ大統領就任反対デモが、東西海岸州などで巻き起こっている中、金融市場は、どこ吹く風!といった風情で、株高、ドル高で盛り上がっている。まさに、トランプノミクスという「勝ち馬に乗れ、相場」である。

 この相場の勢いがどこまで続くかについて、内外の市場の声を拾ってみると、ドル高継続派とそろそろ天井派とほぼ半々である。その中で筆者は相場の基調は完全に変わったというドル高継続派である。

 この相場はまだ始まったばかり。確かにまだ大統領に就任していないし、閣僚も決まっていない。何よりも具体的な政策が見えない。という点から、ドル安派は、「今はただ烏合の衆のごとく、見えない出口に向かって先頭について走っているだけ、その出口の先は絶壁とも知らずに、気が付いたときは谷底に向かって真っ逆さま」という見方である。

 また、ある国際的なビジネスマンから、「トランプ氏の経済政策は間違っている、有権者受けする言葉に惑わされてはいけない、就任した後にその実態がわかる」との意見も最近聞いた。トランプ氏のキャッチフレーズともなっているメキシコ国境に壁建設、などのアピールは実現性が乏しいなど、いくつもの例があるという。

 これらの考え方に共感する人は、今の110円に近づいている相場に対し、これは絶好の売り場と考えるだろう。しかし、個人的には、反対の立場だ。確かに不透明なところも多いが、すぐ実現できないことを、だからといって間違いだ、とは言えないと考えている。政治の力は相場を変えることを何回も見てきたからだ。

 その例が、トランプ次期大統領の「トランプの投票者との契約」である。3回目のテレビ討論会が終わった直後、10月22日にホームページで発表した、いわゆる「大統領就任後100日計画」(https://www.donaldjtrump.com/contract/)である。なかなか興味深い。

 この中で為替に直接言及している個所は、第二計画の第3項目にある「財務長官に中国の為替操作国への指定を指示」と、第4の通商問題への対処である。これは、世界中の誰もが読めるもので、当然市場にもある程度織り込まれ、これを読んで、不可能な点が多いとの評価がドル安派を中心に多いとも考えられる。

 ただ、筆者も110円を超えて一気に120円まで行くとは思っていない。今後、閣僚指名やトランプ氏自身の言葉に反応する場面があろうが、大統領就任まで、180度現在の見方を変えることにはならないと考えている。

 そこで、今後1週間のドル円の相場レンジは、今年のドル円相場の半値が110.30円であることから108.00円– 110.30円と予想。ユーロは対ドルでは1.0650-1.10850、対円では115.50-118.00円と予想している。
(2016/11/16、小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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