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第223回 ~天岩戸をこじ開けたトランプ~

2016年12月14日

 今年から、日米欧中央銀行の政策決定会合がそろって年8回になり、市場と中銀との対話時間が拡大し、投資家としても集中して金融政策を思考することができるようになった。中でも3,6,9,12月は、米FOMCでイエレン議長の記者会見と経済(GDP成長率、失業率、物価の中長期予想を)見通しの発表があるため、金融市場においては重要な月になっている。

 特に今月は、トランプ氏が次期米国大統領に内定して初めての会合となる。欧米日ともそれぞれ大きな注目点があり、結果によっては、為替相場に大きな影響が出ることが想定される。

 すでに欧州は12/8に開催済み。債券の購入金額の減額(800億ユーロから600億ユーロ)で、テーパリングの開始か、との判断で瞬間ユーロは買われたが、すぐに期間を、これまでの2017年3月までとなっていたものが2017年12月まで延長されることが判明したことで、すぐに落ち着きを取り戻し、市場を混乱させることなかった。まさにドラギ総裁の巧みなかじ取りであった。

 一方米国は、利上げの実施期待がある中で、あわせて2017年の利上げ回数への示唆があるかどうかが、注目点である。明日未明に判明するが、個人的には、0.25%引き上げ、フェッドファンド誘導水準を0.5-0.75%にすると予想している、場合によっては以前のように0.75%の一本金利にすることも考えられる。

 合わせて、いわゆるドットチャートも発表されるが、2017年はこれまでの引き上げ見通し回数の2回より多い回数を示すと考えている。ただ、イエレン議長からはそのようなタカ派的な発言は出てこないだろう。まだトランプ大統領が正式に着任しておらず、予定とか市場に期待に対しては、コメントしない、あるいは政策決定はしない立場をとると思われるからである。

 しかし、投資家としてはトランプ新政権の拡張的な財政政策を想定しておかなければならない。将来的な金利上昇が間違いなく予想されるからである。これまで何度となく利上げの空気を醸し出していたイエレン議長であるが、まるで「天岩戸に隠れていた天照大神」が岩の外のにぎやかさに表に出たような感じである。まさにトランプ大統領が引っ張り出したといってよい。その意味からは、イエレン議長ら特にコメントがなくドルが売られた場面では、ぜひドルを拾っていきたい。

 今後1週間のドル円の予想レンジは、114.00円~116.00円、ユーロは対ドルでは1.0550-1.0750、対円では121.50-123.50円と予想している。
(2016/12/14、小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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