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第225回 ~2017年を読む3つの視点~

2016年12月28日

 2017年はかなり乱高下しそうである。日本では今週で2016年は幕を閉じるが、欧米市場での参加者にとっては、すでに2017年は始まっている。

 1月1日は、日本は正月休みの始まりだが、欧米では11月後半の感謝祭で始まった長い休暇シーズンの終わりの日となる(今年は1月2日)。そこでは新しく始まる年をうずうずして待ち構えている様子が見える。

 その意味で、市場が開いている間は、気を休めることなく市場に参加していくことが、大きな流れに乗り遅れないために必要だ。ではどんな大きな流れが見えるか、筆者が常に心掛けている「北極に立って見る世界」から、為替相場を考えてみたい。

 まず見えてきたことは、ポリティカルエコノミー(政治が経済、国際金融市場の方向性を決めるとの考え方)の重要さを示す世界だ。その絵とは、大陸をまたがった地球規模のトラックで、キーパースンやイベント集団たちが400メートルハードルで競争している姿である。観客席で投資家やディーラーがその様子を見ている。そしてだれが勝ち馬かを見定めるために、議論している様子も見える。

 今、人気を集めてトップを走っているのはトランプ次期大統領だ。ダントツで1位になっている。少し遅れて金融政策集団(日米欧中央銀行トップ)が続き、その後大きく遅れて、欧州の混乱に右往左往する一団、原油価格戦略に明け暮れるOPEC諸国、ロシア・中国の秘密会合も見える。

 多くの観客は、まずはトランプ大統領がそのままゴールまで突っ走ると予想し、特に投機家集団は、1年ぶりの多額の金額で円売りポジションを急増させている。しかし行く先に、いくつものハードル(障害物)が見える。それをしっかり越えていけるかどうか、祈るような思いでレースを見ている状態だ。転んだり、越えられずに立ち止まったりしたら、次のランナーにすぐに乗り換える(例えば、ドル買いからドル売りへ転換する)ことができるように、怠りなく準備もしている。

 この状況から、筆者には2017年に向けて三つの流れが見える。「金融から政治へ」、「QEからGRへ」、「FiatからRealへ」である。トランプ次期大統領が打ち出した政策から、金融緩和は終わり、いよいよ金利が付く時代に戻る可能性が高くなってきた。そのため金利が上がり続けていく米国へ資金流入する動きが加速している。すなわち成長へのエンジンが後ろ向きの金融緩和(金融)から、前向きの財政支出(政治)への転換が始まったのである。

 それはまさに債券が売られ、これまでの低金利バブルがあっという間に破裂する瞬間が近づいていることを予想させる。そのバブル破裂被害を回避する動きが世界中で起こっている。金融緩和(QE:Quantitative Easing)を期待するのでなく、成長(国、資産、会社、通貨)へ資金分散を大転換(GR: Great Rotation)する動きである。そして物価が上がることで、インフレに備えて、fiat money(信用貨幣)であるキャッシュから、Real assets(実物資産)への資産転換も必要となる。

 これらを総合して考えると、リスクの次を読む、との姿勢が重要になってきた。常にリスクがあるのが当たり前、今年まではしっかりリスクに備えてすぐキャッシュ化できる用意をしておかなければならなかったが、これからは、リスクオフに直面したら、リスクを乗り越えた後のリスクオンであるかのように行動することが勝ち抜く道と考えることである。

 リスクオフは短命、そこは絶好の買い場になるとの気持ちである。お金は流れる高い場所を早く見つけ、ほかの人が参入してくる前に手を付けていくことが大事である。すでのこの兆候は、Brexitや米大統領選挙後の急速なドル反転の動きで顕在化している。

 そこで為替相場見通しであるが、2017年年間通してのドル円レンジを105円~125円と予想した。ドル円の年間の相場展開とのほかの主要通貨の予想については、新年になって次回以降詳しく説明したい。

 では、どうぞよいお年もお迎えください。次回は1月4日となります。
(2016/12/28、小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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