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第228回 ~当面のドルの底値は近い~

2017年01月18日

 1にトランプ、2にトランプ、3,4がなくて、5にトランプ。これが今の市場を覆っている雰囲気ではないだろうか。昨年11月に大統領選挙の結果を受けて始まったトランプラリーは今年の取引初日に118.61円の年初来高値を付けた後、逆回転を始めた。

 その後口先ならぬツイッターによる指先介入はとどまるところを知らず、また11日の記者会見はトランプ次期大統領の独壇場、市場との対話は全くなかった。経済政策など、これまで発言したことへの確認がなされると期待していた市場は失望感いっぱいで、さらにドルは売られ、昨日(1/17)は,約1か月半ぶりに112.43円まで下落した。これは、過去二年間の高安レンジの半値(112.41円)とほぼ同じだ。

 そして、明後日(1/20)は、世界中が待ちに待った大統領就任式を迎える。その場の就任演説は、例年の一般教書に匹敵するほど、いや、それ以上注目度が高くなる。10月22日にトランプ氏がホームページ上に明らかにした「米国投票者との契約」で約束した「就任1日目の計画」が本当に実行されるのか、その後のトランプ氏の信任を図るうえでとても重要なものになるからだ。

 すでに中国の為替操作国の認定への財務長官への指示は、初日には行わないことが明らかになっている(WSJとのインタビューなど)。ただ、ドル高に対する不快感を表明していることから、ドル高牽制発言はあるかもしれない。しかし、一方でTPPからの脱退発表など、ほかの項目についても、意外と現実的な対応が出る可能性もある。予断を持たず就任後の演説や行動を見る必要がある。

 さて、チャート的には、ドル売りの流れは終盤に近いように見える。ストキャスティックス系は、売られすぎの水準まで低下しており、また移動平均線では、筆者が注目している新たなゴールデンクロスが近づいている。それは中期線(89日線)が、超長期線(300日線)を上抜けする最強のクロスだ。今日現在その差は、約77銭、一日で約15銭縮まっているので、あと5日ほどで実現する計算だ。

 また、過去二年間に高安レンジの半値が112.41円であることから、そのポイントを割らない限り、当面のドルの安値を見たことになる。ただ、これで方向が定まるとは考えにくく、トランプ政権の政策に安定感が出るまで、売買期間の短期化など機動的な取引戦略が求められる。

 今後一週間の相場レンジは、ドル円が112.50-115.00円、ユーロドルは1.0550-1.0750、ユーロ円を120.50-122.50円と予想している。
(2017/1/18、小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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