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第229回 ~上下挟み撃ち~

2017年01月25日

 月曜日に窓を開けてスタートしたドル円は、トランプ大統領就任前の水準に戻らないまま113円台中心で推移している。現在は政策実行の不確実性、あるいは政策実行時期の遅れを意識した相場展開となっており、今後は公約の進捗状態と経済指標の両にらみが続くことになるが、2月末のトランプ大統領の両院議会演説までの1か月間ぐらいは112円と115円の間で上にも下にも行けない相場展開が続くと予想している。

 大統領就任式明けの週初は、さすがに、トランプ大統領の保護主義を前面に押し出した発言、大統領令に市場は否定的な反応で、23日には112.38円までドルは下落した。大統領就任式後には、「セル・ザ・ファクト(事実で売り)」でドル売りが出るとの見方から、本格的なドル売りが進むか注目されたが、下押しすることなく、今週は今日までドルは比較的小動きに終始している。1/11の記者会見後にすでにドル下落はスタートしていたので、それを含めると、すでにドルは今年の高値から約6円も下落したことになり、充分にドルは下落したとの判断があったからとも読める。

 この水準以上のドル売りは何かよほど大きな材料が出ない限り、底は浅いと考えているが、ただ、いつまでも、トランプラリーの材料となった、財政拡大、減税、規制緩和の具体的施策が明らかにされない限り、ドル売りが再燃する可能性が高い。トランプ政権の公約実現に向けての実行度合を、常にチェックしていかなければならないのはこのためだ。

 さて、ドルの下落目途のポイントは、過去2年間のドル円レンジの半値、112.40円(ドルの高値125.86円と安値98.95円)と考えている。ここを割った水準で継続的に取引されるようになれば、次の110円割れが視野に入るだろう。しかし、現状では最近二回(1/17と1/23)、瞬間的に近づいたが戻され、いずれも日足の引け値では割っていない。1月17日には、7営業日連続の下落となったため更なるドル安も懸念されたが、トランプ大統領のドル高けん制発言だけの材料では、ドル売りを推進するには力不足であった。

 この背景には、トランプ大統領の政策自体にドル高をもたらす要素があり、また財務長官に指名されたムニューチン氏の長期ドル高必要論が背景にあり、一方的な方向へポジションを傾けにくい状況であったと考えている。

 来週は、日米政策決定会合が続くが、現状維持と予想されるので、引き続きトランプ大統領の行動や発言に沿った神経質な値動きで推移しよう。今後一週間の相場レンジは、ドル円が112.50-114.50円、ユーロドルは1.0600-1.0800、ユーロ円を121.00-123.00円と予想している。
(2017/1/25、小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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