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第230回 ~FOMCの物価判断に注目~

2017年02月01日

 昨晩、トランプ大統領の円安けん制発言を受けてドルが急落、112.40円を割り込んだ時には、いよいよ来たか!とヒヤッとした。しかし、その後112円割れ寸前までいったものの、NY市場の大引けは筆者が注目している2年来の半値である112.40円を割れずに東京市場に戻ってきた。そして今日の夕方には113円半ばまでドルは上昇している。あれだけ恐れていたトランプ大統領の円安けん制発言があっても、である。

 この背景は何か、筆者の考えるに、それは市場にある米ドル利上げ期待だ。その意味で本日のFOMCは大いに注目しなければならない。今日の会合で利上げすることはないだろうが、声明の中に、今年3回の可能性がある利上げの見方に対し、どのような表現がなされるかに注視したい。物価上昇に危機感がないようであれば、再度のドル売りが起こる可能性がある。

 なぜなら、イエレン議長は、先月の利上げは、失業率の低下と物価の上昇を大きな理由として挙げており、また最新のデータで物価上昇スピードが加速しているからである。12月の消費者物価指数は、年率2.1%の上昇であり、11月の+1.7%から加速、食料とエネルギーを除くコアは年率2.2%の上昇、これも前月(+2.1%)より加速し、いずれもFRBのインフレターゲットの2%を越えている。

 さらに今週発表なった、12月個人消費支出(PCE)物価指数は年率+1.6%と前月(+1.4%)より上昇、特に過去3ヵ月では、同+1.9%と加速している。計算によれば、前月比が今後2ヵ月続けて12月と同様に0.2%づつ上昇していけば、年率で2.0%の上昇となる。この指数は、FRBが特に重要視しているもので、この意味でも今晩のFOMCでどのような判断が出るかが興味深い。

 ところで、短期的にはトランプラリーの調整は終わっていない、まだ序の口、との見方もある。トランプラリー後のピーク118.66円からの下げ幅は6.60円。昨年11月9日に始まった上昇分17.50円の半値(109.91円)にも届いていない。また、投機円売りポジションも高水準で溜まったまま。来週2月10日の日米首脳会談で、トランプ大統領がどう出るか、それまで一波も二波もリスクオフの円買いが予想されるとの見方だ。

 しかし一方で、これから出てくる大統領令は、成長率を高め、雇用者数を増加させるための財政出動、減税、規制緩和を柱とする重要政策となり、それらが実現されると、結果としてドル高に結び付く、との期待も高い。そのために一方的にドルを売れない。今、トランプ大統領が発令しているいわゆる大統領令(Memorandum、またはExecuitive Order)は、選挙中に約束した就任初日に実行するという公約の実現に向けてのもので、これがトランプ政権の本当の姿ではないとの考え方も無視できない。

 今後一週間の相場レンジは、ドル円が112.00-114.50円、ユーロドルは1.0650-1.0850、ユーロ円を121.50-123.50円と予想している。
(2017/2/1、小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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