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第231回 ~鳥の目ではドルは強くなる~

2017年02月08日

 今の為替市場を空から眺めると、いかにも整備不良のダンプカーがでこぼこの山道を走っている様子とそっくりだ。その車をよく見ると金髪のいかつい男が運転している。荷台には多くの人が乗っているが、近づいてみると、仕切り板にしがみついている人もいれば、スピードが緩まったときに飛び降りたいとじっとタイミングを待っているような人もいる。

 同乗者は、最初は、皆同じ気持ちだったに違いない。この車に乗れば、夢と希望にあふれた理想郷にたどり着くと思っていた。しかし進んでいくうちに様子が違うと感じてきた。車も整備不良で、いつ途中でエンストするかもしれない。いや、次のガソリンスタンドまで走れるかどうか心配だ、と、一緒に進んでいくことにだんだん不安になってきた。そこで同乗者は、不安があっても運転手を信じて最後までついていくか、途中で降りるか、悩み始めてきた。それが今のドル円市場と同じに見える。

 さて、荷台に乗った人たちの、そんなざわざわした様子が見えている。車から降りたいと思っている人は、この運転手は進んでいくうちに道がわからなくなったようで、どこに連れていかれるかわからない、と先行きにリスクを感じてきた。すなわち出発時に積み込んだ食糧がなくならない(積みあがった利益が消滅しない)内に、車を乗り換えたいと身構えている状態だ。一方で、方向は間違いない、どこまでも付いていくというグループもいる。そのような人達は、整備士が途中のガソリンスタンドで待っている(すべての閣僚が議会の承認を得ること)のでそれまでの我慢、と、運転手を信じている。

 今、そのどちらかを決めるタイミングが近づいている。それが今週末の日米首脳会談だ。筆者の立場は後者だ。短期的には、まだまだでこぼこ道が続く。ドル円相場でいえば、110円割れの場面はある。運転手(トランプ大統領)は、出発時に決めた日程表に従って障害物を力ずくで越えており、途中何が起ころうと止まらない勢いだ。この剛腕ぶりが混乱を生み、ドル売りを呼んでいる。

 しかし、長い目で見れば、トランプ大統領の日欧の金融緩和政策批判は、円安、ユーロ安となり、結果としてドル高のブーメランとして米国に返ってくるのではないか。すなわち、緩和終了を強いることは、金利上昇、国債価格下落をもたらす。良い金利上昇は円高となるが、これは国債金利利払いの増加、国家財政の悪化を招くことになり悪い金利高だ。そして日本への信認低下、あるいは格下げとなれば、円は下落することになる。まわりまわってドル高円安というシナリオも書ける。

 もしトランプ大統領が日本の金融政策を容認すれば、金利差の拡大は続きドル上昇の流れは再燃する、どちらにしても長い目ではドルは強くなる、これが筆者の考える鳥の目のドル上昇見通しである。

 ところで、ドル円がじり安になっている間、欧州市場が活気づいてきた。先週は、英国のEU離脱交渉が本格化していくとの見方からポンドが売られたが、今週に入ってフランス大統領選挙に対する不透明さが増してきたことで、ユーロが1.08台から1.06台まで売られた。ただ、この欧州に目が移っているのは、日米首脳会談待ちでドル円が様子見の状態になったからで、会談の結果次第では、来週は乱高下になる可能性もある。ある意味嵐の前の静けさかもしれない。

 今後一週間の相場レンジは、ドル円は乱高下を予想して110.50-113.50円、ユーロドルは1.0550-1.0750、ユーロ円を118.50-121.00円と予想している。
(2017/2/8、小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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