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第272回 ~2017年最後の闘いは短期決戦~

2017年12月20日

 米国の減税法案審議は大詰めを迎え、米議会最終日である22日までには、上下院とも可決の見通しだ。米国FOMC,欧州ECB理事会とも事前予想通りの決定で、2017年の最後の大きな山場は越えた感じだ。ドル買いがじわりじわりと動き出した気配である。

 ただ、残っている今日明日の日銀政策決定会合には、要注意である。黒田総裁の、金利も低すぎると緩和の効果が薄れるという、いわゆる「リバーサルレート」の発言について、会合後の記者会見でどのような解説をするか、気になるところである。

 少しでも、緩和政策の幕引きの準備を示すような示唆があれば、一気に円高に動くことも考えられる。個人的には、「112~3円台の水準では日銀は動きにくいはず。円水準として少なくとも120円前後まで必要(すなわち円高に動いた後でも110円台を維持することを望む)との見方だ。

 しかし、今年あまり利益を上げることができなかったヘッジファンドや短期トレーダーは、今年の最後の仕掛けどころだ、として手ぐすねを引いている待っているはずだ。それだけ、黒田総裁の会見は世界的に注目が集まっており、記者会見のコメントには要注意である。ただし、彼らは、短期決戦でポジションを長く持たない、長くとも週末までと考えている。方向性が固まることはない。このような時期の相場変動は、経験的には、おおむね行って来いになる。したがって方向が固まることにはならず、下がったら買い、上がったら売りの戦略となろう。

 米国にも、少し気になる問題がある。それは暫定予算の行方である。12月8日の期日を一旦2週間延期したが、その期日が今週金曜日22日に来る。減税法案が可決してもいわゆるつなぎ予算の再延期は必要だ。これまでのパターンでは、22日の深夜ギリギリまで交渉を続け、最終的には合意している。特に今年は、減税法案の成立という一大イベントを終えたのであれば、水を差すことにはならないだろう。ただ、日本では23日早朝まで気が抜けない。

 そこで、今後1週間の相場レンジは、ドル円は112.50-114.00円と予想。一方ユーロは、クリスマス休暇を控え、動意は乏しいとみて、対ドルでは1.1800-1.1900、対円では、133.50-135円と予想する。次回は、今年の最終回であり、2018年の相場を展望したい。
(2017/12/20、小池正一郎)


※当コラムは毎週水曜日の更新です(水曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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