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第283回 ~中国が米国債を売り出せば・・~

2018年03月14日

 1兆1,849億ドル。これは中国が持つ米国債金額(米国財務省発表、2018年1月末現在)である。「この一部でも中国が売りだしたら、米債券市場は大混乱になるに違いない。その時はドル円は一気に100円に近づく可能性がある」との見方が出てきた。

米国の立て続けの追加関税導入-それも中国をターゲットにして-の表明に対し、中国は何らかの報復策をうってくるのではないか、その一つが保有米国債の売却だと、米中衝突の懸念が急速に高まってきた。中国のシェアーは18.8%、当然外国人の中では一番の保有者である。第二の保有国は日本(1兆615億ドル、16.8%)だが、日本から売り出すことはあり得ないので、中国の対抗策が市場に対する大きな脅威になる可能性があるからである。

 確かに米国の一番の貿易赤字相手国は中国である。2017年の1年間の米赤字額の約半分(47%)は中国からきている。ちなみに2位がEUの19%、3位がメキシコの8.9%で、日本は4位(8.6%)であり、中国はダントツである(米商務省発表)。

 加えて、昨晩はティラーソン国務長官解任のニュースが飛び込んできた。それもツイッターで発表、本人には、そのあと電話で伝えたという。先週のコーン補佐官の辞任と言い、トランプ氏は、意見の合わない人をことごとく排除している。見方を変えれば、間違えたとわかれば、任命権者として責任を取る、ということかもしれない。しかし普通に考えれば、これでは、すべてがトランプ氏の思うままに米国が進んでしまう、果たしてそのような国を信じられるだろうか、そんな国の資産を持っていいだろうか、との懸念が急速に高まり、株式相場の下落やドル売りとなった。

 一方、この反対側の話しだが、円が買われている。日本は比較的安全との理由である。しかし振り返れば日本も決して安心していられない。森友問題の進展次第では、かなりの震度となる恐れがある。その場合は、これまで株高、円安の裏付けとなっていたアベノミクスが終了(崩壊)する恐れがあるからだ。

 今、ニュースだけを読めば、極端な結論に結び付けて売買しているように見える。しかし筆者は、これらの見方は極端すぎる、と考えており、そこまで悲観的にはなっていない。しかもテクニカル的には、むしろ、売られたら買い、と考えている。

 例えば、2月に入って数日105円台はあったが、NY市場の終値ベースでは、105.50円は割っていない。また21日移動平均がほぼ現在の水準(今日現在106.55円前後)であり、1月以降頭を押さえられていたが、ようやく上へ抜けそうな相場になっている。個人的には、少なくとも3日間は、21線を越えない限り、買い転換とは言えないと思っているが、その日は意外に近いと予想している。

 今後1週間の相場レンジとしては、来週のFOMCを控えて狭いレンジの取引と考え、ドル円は105.50円~107.50円、ユーロは、対ドルで1.2250~1.2450、対円では130.50~132.50円と予想している。
(2018/3/14、小池正一郎)


※当コラムは毎週水曜日の更新です(水曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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