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第307回 ~年初来高値を狙うドル円~

2018年09月19日

 ドル安、円安だ。ドルインデックスは、94.30近辺と7月31日以来の安値、ドル円も7月20日以来ほぼ2か月ぶりの安値。牛歩のようであるが7月19日以来の113円まで、あと50銭あまり。超えてくれば、年初来高値(113.39円)も視野に入ってくる。個人的には今月中にそのチャンスが大きくなったとみている。円売りの大きな理由は、投資先としての円の魅力の低下である。

 一方、他の通貨は回復基調である。ユーロは1.17を超え、1.1735を上回れば、2か月以上超えられなかった1.1750超えも近づいてきた。英ポンドも7/31以来のポンド高。NAFTA交渉で追い込まれているカナダドルでさえも、9/10以来続伸しており、あと65ポイント買われれば、約3か月半ぶりのカナダドル高になる。またセルオンラリー(買われたら売り)と考えていた豪ドルでさえも、8月末水準の0.7250を上回ってきた。

 そして、驚いていることだが、スイスフランの強さが目覚ましい。昨日9/18には、0.96割れが来た!と思わせるようなスイスフラン買いがでた。この水準は、今年4月18日以来のスイス高。まさに、トランプの中国への追加関税第3弾の実施発表を材料にドル全面安の様相である。そのような流れの中で、ドル円は蚊帳の外、むしろドルと一蓮托生に見える。

 有事の際に求めているのは安全性である。しかし安全資産=運用先ではない。リスク回避の位置づけは、あくまでもタンス預金であり、一時的にお金を危険から疎開して置く場所の確保だ。今まで、それは量的、制度的に流動性のある国、日本であった。今後とも多かれ少なかれ、その役目を担うのは日本であることには変わりがない。ただ、最近は投資家はリスクを回避することに疲れてきた。あるいはリスク感応度が下がってきたとも言える。リーマンショック10年をテーマとした記事が山のように出てきているが、風に柳の趣だ。

 今の流れは、リスク回避より、変動リスクがあっても将来のリターンを期待できる先(国、商品、通貨)に資金を回している。そこはどこか? 世界を見渡して、日本ではない、と気が付いたのだろう。むしろ日本円は低金利で必要資金を確保できることを利用し、キャリートレードの調達資金となっている。これは円売りとなる。

 日銀の金融政策決定会合で、現状維持であったことも、円の売り安心感となっている。国債買い入れの減少傾向を材料に、見えざる金融緩和停止または終了が始まっているのではないか、との見方も出ていたが、それもとりあえず払しょくされた。個人的には、政策変更における重要月は、米国FOMCが3,6,9,12月であるのに対し、日銀は日本の会計期間に合わせた4,7,10,1月と考えている。10月には、下期の展望レポートが発表されるので、修正があるとすれば、そこ10月(30-31日)と警戒している。来週初は、米FOMCがある。利上げは確実とみているが、問題は、そのあとどうなるかが問題だ。ドットチャートが楽しみだ。個人的には利上げ継続、ドル堅調推移は変わらないと予想している。

 今後1週間の相場レンジとしては、ドル円は続伸で111.20円~113.20円、ユーロは、対ドルでは1.1550~1.1750、対円では130.00~132.00円と予想している。

(2018/9/19,小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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