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第308回 ~FRBの転換点~

2018年09月26日

 113円は、突破が困難のように強固に見える。ただ、今日は一時は113.03円までドルは買われ、7月19日以来約2か月ぶりに113円を付けた。ドル安円安が続いており、113円維持は風前の灯ではないだろうか。その契機は今日のFOMCと読んでいる。

 ドル安・円安が続いている。ユーロは6月14日以来の1.18台、英ポンドは7月10日以来の1.33にタッチしそうなところまで続伸となった。加えてスイスフランの上昇スピードは顕著だ。9月21日には、4月10日以来の0.9540台まで上昇。結果として、ドル指数は93.81まで下落、7月9日以来の安値となった。

 また、ドル円は日足ベースでは、9/18以来昨日まで6連騰だ。今日NY市場で113円以上で終えれば、今年初の7連騰となる。そして今日のFOMCを契機に、円安方向にシフトしていくと予想している。今回は、議長会見が行われる節目のFOMCであり、利上げが確実視されている。個人的には、FRBは強気のタカ派的スタンスを継続すると読み、ドル円は113円台に乗せて終えると予想。中心レベルは112-114円となるだろう。

 FRBとして、今回は独立性に対する姿勢が問われている。先月、トランプ大統領の、利上げは好まない発言から、FRBの独立性についての議論が巻き起ったが、それがゆえに、FRBとしては、経済実態や今後の見通しに基づき、理論的な裏付けを基礎に、清々粛々と利上げを決めると考えている。

 今、市場で出ている予想を整理すると、①今日FFは今年3回目の引き上げを実施、上げ幅は+0.25%で、新しいFF金利は2.00-2.25%となる。②為替相場の関係では、前記①以外変更がなければ、材料出尽くしでドル売り、引き上げ方向の基調が示唆されれば、ドルは堅調に推移していく。それが今日発表のドットチャートで明らかになる。この2点が主要なポイントである。

 この考えに対し、もう一歩突っ込んだ見方がある。個人的にはこの考え方に近い。それは①は同じだが、②についてより明確である。それは「2%というインフレターゲットはすでにクリアしており、名目成長率(=実質成長率+インフレ率)が過去1年は5.4%に上昇、過去2年でも年率4.6%となっている。FRBとしては、これまで声明文にあった『金融政策は引き続き緩和的』という文章も削除される」との見方である。この立場に立てば、利上げは材料出尽くしでなく、むしろドル買い材料となる。その時は113円は通過点になる。きっかけは、このFRBの方針転換だ。

 一方で、トランプ大統領の米国第一主義を改めて主張した国連演説や、今後予定されている日米通商会議や日米首脳会談に、日本に重い負担を強いられるのでないか、との懸念が残っていることも事実だ。この見方に重きを置く立場の人は、円高を主張している。

 そこで、今後1週間の相場レンジとしては、ドル円は続伸で111.80円~113.80円、ユーロは、対ドルでは1.1650~1.1850、対円では131.50~133.50円と予想している。
(2018/9/26,小池正一郎)


※当コラムは毎週水曜日の更新です(水曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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