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第328回 ~ FRBの正常化を疑う ~

2019年03月06日

 3月は、息も抜けないイベントが続く。今はドルはとてつもなくしっかりしている。トランプ大統領が口先介入まがいのドル高けん制の発言をしても、市場はびくともしない。ドル円は、過去2日間、一日の高低差は40銭にも満たず、今日もこれまで(21時現在)わずか20銭。112円を前に足踏みしている。2月12日から、安定的に111円を超えるのに約半月間かかったことを思い出させる、じれったい相場展開だ。

 では、トランプはオオカミ少年になったのか? 確かに発言自体に市場は慣れてきており、その後の実行も伴っていないという経験則も積みあがっていることで、トランプ発言にびっくりしなくなってきたのも事実だ。トランプ発言のたびごとに反応するのは効率が悪い、とわかってきたと言える。

 では何に相場変動の兆しを見出しているのか。今や単体では決められなくなったのではないだろうか。筆者は、複数の要因が重なり、過半数の要因が方向性を決めると考えている。それゆえに、先週3点注目し、最初に米中通商協議を取り上げた。今週は「FRBの金融政策の変化」について考えたい。

 「資金の行先は高いところ」、という考え方については、何回も取り上げている。高さは「信用」「成長」「金利」であるが、ここで、中央銀行が責任を負っているのが「金利」である。トランプが大統領選挙に当選した2016年11月からドル高に動いてきたが、この「金利の高い」についての最近の変化が、市場を混乱させ(判断を遅らせ)、相場の動かない要因となっている。

 今でもこの「高いところ」に一番近い通貨は「米ドル」だが、今年に入ってその様相が異なってきた。これまで晴天(好景気)に気分を良くして雲の動き(FRBの戦略変化)を気に留めていなかったが、風(FOMCでの発言)が冷たくなってきたので、顔を上げたら空模様が、急に悪化していることに気が付き、慌てて安全なところに移動した、という感じだ。

 具体的な事象は、パウエル議長の1月FOMC後の記者会見、議会証言、1月のFOMC議事録発表だが、そこからもすでに明らかになっているように、2015年12月始まったフェッドファンド(FF)の段階的引上げやバランスシートの縮小による正常化(Normalization)プログラムの停止が、スタートラインについたことだ。そこで、これまで、ドル金利高=ドル/円(ユーロ)金利差拡大=ドル高/円安・ユーロ安としてほぼ自動的に判断していた市場が、逆回転し始めたことが、最近のドルが直面している環境だ。

 ここまで進んでくれば、ドルを売るしかない。最近、年末までドルは100円に近づく。あるいは100円を割るとの見通しが出ているのも、この見方が一因だ。一方で、市場はこの判断に懐疑的になっているとの見方もある。この後者の見方(筆者もこちら)も相変わらず根強いため、相場の綱引きが続いている。この均衡が破れるのは、いつか? それは「今でしょ!」ではない。その時期はブレグジットの方向性が決まる時だ。来週にはある程度の動きがわかるが、これは来週に記したい。

 さて、今週末には、米雇用統計の発表(予想19.5万人、先月30.4万人)がある、FRBの政策変更に一定の影響を与える指標だ。3月のFOMC(3/19-20)の利上げ確率はほとんどない、と考えているが、今後政府閉鎖でイレギュラーとなっている経済指標が正常化されていくにつれて、景気の拡大基調が認識されると、利上げなしと言う見通しもぐらついてくる。今月はFRBの政策変更への路線が確立されるのか、再びもとに戻るのか、重要な月になる。

 今後1週間の予想レンジは、ドル円は110.50~112.50円。ユーロは、対ドルでは1.1200~1.1400、対円では125.00~127.00円と予想している。
(2019/3/6,小池正一郎)


※当コラムは毎週水曜日の更新です(水曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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