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第330回 ~FOMCはブレグジットの前座 ~

2019年03月20日

 ブレグジット動向に振り回された1週間だった。依然として結論は出ずに来週金曜日に当初の離脱の期日を迎える。状況はますます混とんとしてきた。下院議長が再採決を認めない決定をしたからだ。この異常事態で、いわゆる合意なき離脱の可能性が再び浮上してきた。今週の英エコノミスト誌の風刺漫画が実に面白い。如実にその混乱状態を描いている。メイ首相はじめ関係者が出口を探して右往左往している図だ。

 今日のFOMCが終われば、世界の目は、明日から二日間開かれるEU首脳会議に一身に注がれる。そこで、離脱日の延長か、または何もせずに当初予定日の3月29日に合意なき離脱を迎えるか、というある意味、悪魔の選択を迫われることになる。常識的には、後者のケースは、英国にとってはあらゆる面で最悪の事態を迎えることになり、またEUとしてもそのとばっちりを受けることは望まないはずで、離脱日の延長、例えば最低3か月の延長が決められることになると予想している。

 そのカギは、5月の欧州議会選挙への対応である。議員数は現在751名、任期は5年で、今年は改選年、2019年5月23日から26日に加盟国別に選挙が行われる。国別の配分はほぼ人口に比例して決まっているが、イギリスは、現在全体の3番目の73議席(9.7%)の議席数を持っている。一番多い国は、ドイツで96議席(12.8%)、次いでフランス74議席(9.9%)、そしてイタリアがイギリスと同数の3位となっている。今週のEU首脳会議で、EU議会選挙にイギリスを入れるかどうかの判断と共に、離脱への条件が議論されるはずだ。ポンドの乱高下はしばらく続くと予想する。

 さて、そんな欧米の騒がしい市場で、ドル円は、まったくと言っていいほど動かない。2月28日から一日の終値は111円台が続いている。ここ1週間は日中の変動幅も1円にもならず、固定相場並みの膠着状態だ。しかしテクニカルで見ると、ドル高傾向ははっきり見える。1月18日から短期(21日)移動平均線がサポートになり下値をしっかり押さえており、ドル高の勢いは維持されている。

 また、ゴールデンクロスが出ているのもドル高要因だ。21日線のドル最安値は1/30の108.86円を底値に上昇し、今日(3/20)は111.30円近辺までドル高水準となった。その過程で、3/13に89日の中期線を上回るゴールデンクロスが完成した。そして200日長期戦(今日は111.42円近辺)を超えるのも、目前だ。

 心配な点は、3/5のドル高(112.14円)を頂点として、上値が切り下がっていることで、現在は三角持ち合いが出来ており、終息傾向に向かっている。111.90円を超えるかどうかが、次の方向性を決めると判断される。

 この点から、今日のFOMCの決定事項、特に今後の利上げ回数、時期等が読めるドットチャートや、BS調整の具体的な計画が大きな変動要因になる。個人的には、市場で、ハト派的な見方がやや優勢なことで、ドル軟化は市場に織り込まれつつあると読めることから、今回は「うわさで(ドルを)売って、事実で買う」ことになるのではないかと予想している。

 今後1週間の予想レンジは、ドル円は前週よりドル強気で110.80~112.50円。ユーロは、対ドルでは1.1225~1.1425、対円では125.50~127.50円、そして英ポンド/ドルは1.2900-1.3300と予想している。
(2019/3/20,小池正一郎)


※当コラムは毎週水曜日の更新です(水曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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