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第337回 ~ポンドの大幅安で、円安~

2019年05月22日

マネーパートナーズからのお知らせ:筆者都合により、次回更新は5/30(木)の予定となります。

 現在の為替相場は、ドルの独り勝ちが続いている、と考えている。そこで今週は「Buy on dips<下がって(ドル)買い>」の戦略が有効だといえる。

まず、筆者の2019年年初のドル円年間予想は、110円±5円、より狭く言えば、107.50円~112.50円である。一方年初来の実績は、レンジでは、年初の投機的円高を除けば、略109円~112円であり、平均相場は概算110.50円程度となっている。予想した年間レンジを基準にすれば、これまではドル高円安傾向で推移していることになる。

しかし今後の予想としては、2~3か月間の114円台までの円安ドル高を経て、年末にかけては107円割れの円高場面ありとしている。そのシナリオはこうだ。まず短期的なドル高要因は、ユーロ安、英ポンド安の進行である。そして年後半のドル安要因は、米国の政治的、経済的変調によるドル離れの兆しである。

今週末は、いわばユーロの命運を決めるといってもよい欧州議会選挙である。すでにユーロは1.11台前半まで下落、1.1110ドルを割れば、2017年5月中旬以来のユーロ安となる。またポンドは、一日の横ばいを入れ13日間連続して下落、今年1月4日以来の安値、1.2662ドルまで売られており、一向に下げ止まりの気配は見えない。

逆に見れば、米ドル高であり、ドルインデックスがドルの強さを如実に表している。5月13日からドル上昇の勢いは加速し、17日から再び98台に乗せてきた。現在は98前後だが、98.33を超えると2017年5月以来のドル高となる。それほどまでに米ドルの強さは群を抜いている。ドル円だけ見ると、米国の強さを見失いかねない。米中通商摩擦によるリスクオフの円買いでドルの強さは打ち消されているが、2016年12月以来の1,196ウォンまで下落した韓国など対新興国通貨も含めて世界を広く見れば、ドルの独り勝ちは続いている、と言ってよい。

さて、ポンドの下落の要因は、メイ首相の迷走である。5月22日までに議会選挙への参加を決定しなければ、6月1日に合意なき離脱となる瀬戸際に追い込まれたメイ首相は、5月8日に選挙への参加を表明した。労働党との協議が不首尾に終わったことで、実質国民投票の代わりともくろんだ方策を選んだことになる。

その選挙結果が今週末に決定する。どのような結果でも(よほど離脱派の圧倒的勝利で、EUとの間で円満な離脱が決まる以外)では、メイ首相の辞任、英国政局の混迷は避けられない。この不透明な政局を嫌気したポンド売りが根強く続いている。


年後半のドル安予想のシナリオは今後に譲ることにして、今後1週間の予想レンジは、ドル円は109.80~111.20円。またユーロは、対ドルでは1.1050~1.1250、対円では121.50~123.50円、そして英ポンド/ドルは、欧州議会選挙結果を読んで、英国内の混乱が加速するとの懸念から1.2300-1.2800と大きくポンドが売られると予想している。
(2019/5/22,小池正一郎)


※当コラムは毎週水曜日の更新です(水曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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