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第340回 ~米中握手の期待~

2019年06月13日

マネーパートナーズからのお知らせ:筆者都合により、次回更新は6/20(木)の予定となります。

  トランプ大統領のメキシコへの関税上乗せ発表をきっかけに一気に108円割れまで進み、6月6日には今年1月10日以来の円高107.81円までドル安となった。しかし終わりベースでみると107円台はつけていない。それが昨日まで続いている。むしろ小幅ながらもドル高傾向を示している。

ドルが下げ止まったのは、トランプ大統領が、メキシコへの関税上乗せ無期延期を決めたことが要因だが、しかし、果たしてそれだけなのか、首をひねっている。なぜなら米ドル金利は相変わらず低下傾向を続けているにも拘らず…その割にはドル安にはなっていないからである。

一方、対ユーロやポンドでは、ドル安が顕著だった。この現象は、6月7日に、3月22日以来のドル安(96.46)となったドルインデックスしかりである。昨日12日には少しドルは回復したがドル安基調は続いている。この点から通貨の強弱関係でいえば、「ドル円はもっと下値をつけてもおかしくない。見えない何かがドル円相場を押し上げているのか?」と思いたくなるほどである。

先週、「底堅いドル需要」との記事を書いたが、この底堅さは何か、考えてみた。最初に思い出したのが、渋滞理論の自然渋滞である。工事渋滞(あらかじめ、予定=経済指標発表など=が決まっている状態)でもないし、事故渋滞(突発事件などが起こること)でもない。ドル円が底堅い理由が明確ではないという言う点で、自然渋滞に相当すると考えた。これまでの経験則でいえば、裏に政治がかかわっていることになる。

ドル円だけの要因では、円安方向になる=より大きい量的緩和を見込むとか、政治的な変動(参議院選挙を見据えて)を予想するなどあるが、一方ドル高の要因として考えられるのは、米中貿易戦争の鎮静化がある。これが明確になるのは、今月末のG20サミットでの米中首脳会談である。いまのところ、開催方向で進んでいるので、問題は中身だ。まさにトランプ大統領の腹積もりはどこにあるかだが、結論としてはいったん手打ちをする、と読んだ。と考えれば、現在のドル円の底堅い相場展開に納得ができる。

その背景は以下の通りだ。一般的には中ソは友好国。米国は仮想敵国とし同じ位置にあるとみられている。この見方は正しいのか、という問題提起をしたい。各種情報を総合すると、現在米中と覇権争いをしている中国の立場は、米国と真っ向から対立しているわけでなく、むしろ対ロシアとの関係で抑止力として米国を使いたいのではないか、とも言える。米国は、中国の対ロシア戦略の微妙な変化を察し、「敵の敵は味方」戦略をとることにすれば、中国と合意できる。中国にとっても、対ロシアとの抑止力としても米国と100%対峙することは得策ではないと判断。ここに高度の政治判断がなされることになる。

そして、大阪のG20では米中首脳会談が開催され、トランプ大統領の満足する形で合意されるとの見通しが出来上がる。相場の世界では、「知っていることは誰にも言うな」という格言がある。これはいわゆる「意味ある情報こそ沈殿する」というきわめてトップシークレットの情報であり、表には出ないものだ。この点から米中貿易戦争の見通しのシナリオ上、合意が発表になればドル円は急騰することになる。一気に110円台回復も見通せる。

さて、来週は、日米の金融政策決定会合がある。米国は、利下げが視野に入るが、6月は金融政策手段の再構築の着手など、パウエルドクトリンを打ち出すことを明確にすることが中心になるだろう。金利の変更については、ドットチャートで方向性を明らかにし、実際の引き下げは次回(7月30-31日)になると予想している。一方日本は、今月は現状維持のままだが、ECBについで、緩和強化のトーンを強めることになるとみている。

そこで、今後1週間の予想レンジは、ドル円は先週と同じく107.80~109.80円。またユーロは対ドルでは1.1250~1.1350、対円では121.50~123.50円、そして英ポンド/ドルは1.2550-1.2750とポンド軟調と予想している。
(2019/6/13, 小池正一郎)


※当コラムは毎週水曜日の更新です(水曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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