FX・CFD・証券取引のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-

為替大観

最新の記事

第343回 ~ドル売り三題噺~

2019年07月03日

 さて今週から2019年の後半戦が始まった。その初日から窓開けでのスタート。米中首脳会談は、予想通り最悪決裂は回避されたことで一安心。そして電撃的な米朝首脳会談で協議再開が決定と、もう一つの懸念材料の後退が加わり、ポジティブな週明けとなった。

 世界中が注目した週末を無事に乗り越えホッとした、というのが正直な心境だった。ドル円の取引レンジは108円台に乗せるとした先週の予想通りとなった。ユーロ、ポンドも予想通り先週までの買われすぎの調整が入り、相場レンジもほぼ予想通りだった。

 しかし、いとも簡単に窓は埋まってしまった。G20の米中首脳会談では、何も進展がなく、単なる先送りであることが読み取れたからである。ドルを買いあがる力は一日で消えてしまい、ドルが買われたがその先は伸びないとの展開となった。

 やはり、今年後半も、リスクオフには円高で強く反応するという相場展開をそのまま引き継いでいくと考えていいだろう。世の中的には、ドルはこれ以上強くならない、ドル円は年初来安値(104.67円)に向かって下落していく、との予想が優勢だ。ただ、筆者は中期的な方向には同感だが、その前に一回ドルは買われると予想している点が違う。その場合のドルの上値は夏ごろに113円と予想している。

 ところで、話を戻して、ドル円のその後であるが、107円台に戻した要因として三つの点が沸き上がった。まず地政学的リスクが円買い要因として隠然として市場を支配していることである。ペンス副大統領が会議をキャンセルして急遽ホワイトハウスに戻ったとの報道で、一瞬にリスクオフに傾いた。そしてトランプ大統領の、空席になっている2名のFRB理事の指名発表である。トランプ氏の氏名ならばハト派に違いない、との瞬時の読みがドル売りをもたらした。利下げ路線の強化との判断である。

 そして3つめは思わしくない米景気指標の発表であった。先月6月で、景気拡大が丸10年になり、今月からは戦後最長を更新していく。ウォールストリートジャ-ナル紙(WSJ)の米国エコノミストへの定例調査では、次のリセッションは2021年と予想する人が多い。これからは、今まで以上に米景気動向に耳目が集まるだろう。昨日発表になったのは、ISM製造業景況感指数であり、先月より低下の51.7であった。50以上が拡大との評価であり、かつ予想(51.0)より高かったので、すぐに懸念するような状態ではないが、ただ減速していることは間違いない。次は、今週末の雇用統計が気になる(非農業部門雇用者数の予想は16.5万人、先月7.5万人)。

 ところで、トランプ大統領が新たに指名した理事候補は、クリストファー・ウォラー氏(Mr. Christopher Waller、現・セントラル連銀調査担当副総裁)と、ジュディ・シェルトン氏(Ms. Judy Shelton、現・欧州復興開発銀行米国代表理事)である。WSJは、「両者とも、経済状況が悪化すれば利下げを熟慮している」、というFRB関係者の談話を伝えている。

 この結果、米10年債は、1.943%と2016年11月以来の低水準まで低下。マイナス0.393%(前日比マイナス0.021%)と下げているドイツと違い、下方硬直性のある日本(マイナス0.157%、前日比マイナス0.015%)は米ドルほどに下がらず、日米金利差は縮小、円買いが進む要因となっている。

 今後1週間の予想レンジは、ドル円は106.70~108.50円。またユーロは、対ドルでは調整が続き。1.1150~1.1350、対円では120.50~122.50円、そして英ポンド/ドルは1.2400-1.2600と予想している。
(2019/7/3, 小池正一郎)


※当コラムは毎週水曜日の更新です(水曜日が祝日の場合は休載となります)。

このページの先頭へ

このページの先頭へ

プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


FX取引(外国為替証拠金取引)、商品CFD取引および証券取引に関するご注意

パートナーズFX、パートナーズFXnanoおよびCFD-Metalsは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格とには差額(スプレッド)があります。

取引手数料は無料です。ただしパートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの受渡取引に限り、1通貨単位あたり0.10円の手数料をいただきます。

パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの取引に必要な証拠金は、取引の額の4%以上の額で、証拠金の約25倍までの取引が可能です。法人コースの証拠金は、為替リスクを想定し通貨ペアごとに当社が定める額と、金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額のうちいずれか大きい額とします。為替リスク想定比率とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第27項第1号に規定される定量的計算モデルを用い算出します。

CFD-Metalsの取引に必要な証拠金は、取引の額の5%以上の額で、証拠金の約20倍までの取引が可能です。 国内上場有価証券の売買等に当たっては、最大で約定代金の2.75%の手数料(消費税込み)、最低手数料は取引形態等により異なり最大で2,750円(消費税込み)をいただきます。国内上場有価証券等は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等および有価証券の発行者等の信用状況(財務・経営状況を含む)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)があります。

取引開始にあたっては契約締結前書面を熟読、ご理解いただいた上で、ご自身の判断にてお願い致します。

〈商号〉株式会社マネーパートナーズ(金融商品取引業者・商品先物取引業者)
〈金融商品取引業の登録番号〉関東財務局長(金商)第2028号
〈加入協会〉日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会 日本商品先物取引協会

このページの先頭へ