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為替大観

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第351回 ~9月は円安~

2019年08月29日

 先週末は予想しない出来事で金融市場は大混乱、投資家・投機家が一斉にリスクを縮小する動きに走った。あまりの下降スピードに100円到達は避けられないという声も再浮上した。ただ筆者は、一時的にはあるだろうが、恒常的に100円割れとなるのは来年になってからと予想している。際限なくリスクオフが進むとは考えられないからだ。

 先週金曜日、中国の報復関税積み増しに対し、突然のトランプ大統領の中国攻めはまさに間髪をおかずの速攻であった。あまりの唐突そして挑戦的な姿勢に、市場は驚愕した。世界景気は一気に後退すると判断、沈没する船から、我先にネズミが逃げ出すように、市場はリスク回避の動きにあふれかえった。

 この動きは週が明けても続き、ドル円は104.45円まで急落、金も6年ぶりの高値となった。ドル円は、今年1月2日の取引データによっては、その時以来となるが、筆者の記録では、2016年11月以来の円高水準である。

 ここで、ドル円相場を振り返ると、2円刻みのレンジ相場が一定期間続き、節目を割り込むと新しいレンジに移行する形が続いている。今年5/6に111円を割った後、約4週間111円~109円で取引された後、5/31に109円を割った。その後8/2まで、約2か月間109円~107円のレンジ取引が続いた。そして今月8月2日に一気に107円を割り、現在のレンジの107円~105円に移った。下値を切り下げ、105円を一時的に割ったが、今日までレンジ内での取引が維持されている。

 現在105円台に戻っているが、8/26の104.45円が底値だとは言えない。まだドル売りの要因が山のようにあるからだ。例えば、米利下げの動き、トランプ大統領を筆頭にした為替政策の転換の動き、米国の早期リセッション懸念、そしてイランをはじめとする地政学的リスクである。現在は、米欧とも夏休みシーズン、本来の取引状態にはなっていない。夏休み明け後の9月以降に大きな動きが出るだろう。ただ、ドル安よりドル高の可能性が高いと予想している。

 ちなみに過去2年の8月と9月の取引レンジ(月間高値と安値の差)を比較すると、2017年は、8月が2.80円(円高方向)に対し、9月は約6円の円安。2018年は、8月が2.40円(同じく円高方向)に対し、9月は3.30円の円安となった。今年は8月は、すでに4.90円の円高である。9月には大きな動きになる可能性があり、要注意である。


 さて、1週間の予想レンジは、ドル円は、当面ドル軟調で104.70~106.20円と予想。またユーロは、景気後退加速を嫌気、ECBの再緩和見通しを背景に、低下傾向は維持され1.0950~1.1150、対円では116.00~118.00円と考えている。また英ポンド/ドルは1.2050-1.2350と予想している。
(2019/8/28, 小池正一郎)


※当コラムは毎週水曜日の更新です(水曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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