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第352回 ~節目突破のユーロ、ポンドはセルオンラリー~

2019年09月04日

 いよいよ相場秋の陣が始まった。毎年米国のレーバーディ(9月の第1月曜日)明けから夏休み明けの本番が始まるが、まさに昨日3日は例年通りの荒れ模様で始まった。米中関税報復戦争に加えて、トランプ大統領の心は、むしゃくしゃしているのではないだろうか。ドルの強さが抜きんでているからだ。ドルインデックスは、ユーロ、ポンドの下落により、昨日3日には99を超え、ほぼ2年4か月の高値99.37まで上昇した。

 ただ、この問題は大統領がいくら文句を言ったところで、解決できるものではない。欧州独自の経済的社会的の構造的な問題であり、欧州が通貨安誘導をしているわけでないからだ。高い所にお金が流れる、との投資の運用基本原則に照らして考えれば、ユーロやポンドはかなり買いにくい。金利、成長力、信用力どれも米国にかなわないのだ。

 1.10、1.20は、相場の節目、そのいずれも割り込んだ。まず1.10とはユーロの節目、9/3には、1.0926ドルまで下落した。2017年5月以来のユーロ安水準だ。欧州の優等生を言われたドイツの後退が著しく、今月のECB(欧州中央銀行)理事会で、再び金融緩和政策を導入する確率が大きく高まっているからだ。その流れを受けて、ドイツ10年国債利回りは、マイナス0.739まで低下、史上最安値を記録した。

 今では日本の10年国債金利(9/4現在、マイナス0.29%)よりも低い。米国も10年国債利回りは低下(9/3最安値、1.431%)したが、先進国の中では米ドルはまだ高い。これではユーロは買えない。当面は、ユーロのセルオンラリー(買われたら売り)が機能するだろう。今まで来そうで来なかったパリティ(1ユーロ=1ドル)も、半年以内にはありうると予想している。 

 また、英ポンドはより切迫している。節目は1.20。9/3にはポンドは1.1959まで売られ、ブレグジット直後の安値以来、ほぼ2年11か月振りの低水準となった。合意なくても予定通りの10月末離脱を決めたいジョンソン首相の奇襲(議会の休会)が、一部与党議員の反発で、功を奏さず、英国の離脱スケジュールが一層不安定さが増し、先行き混迷が深まってきた。こちらも、英ポンドのセルオンラリーと考えている。

 今日現在は行き過ぎの反動で、1.21台までポンドは反発しているが、次の1.20割れで、ポンドの下落が加速していく可能性がある。3度目の正直というアノマリーが機能すると考えているからだ。ちなみに当時の安値1.1943を割ると、1985/3以来となり、次は英ポンドの史上最安値1.0520(1985/2)更新も視野に入ってくる。

 しかしながら、市場心理はドル売りバイアスもかかっている、米国の景気動向も楽観できないからだ。特に製造業関連指数がさえない。昨日もISM製造業景況感指数が49.1と、約3年ぶりに節目の50を割った。特に新規受注が前月の50.8から47.2と落ち込みが大きい。今週は、貿易収支(9/4)、非製造業景況感(9/5)、雇用統計(9/6)と重要な景気指数が発表になる。非農業部門新規雇用者数の予想は16.3万人と前月(16.4万人)並となっているが、本日、先行指標と言われるADPの発表に注目したい。

 さて、1週間の予想レンジは、ドル円は、当面106円ばさみで105.50~106.80円と予想。またユーロは、引き続き、ECBの再緩和見通しを背景に、低下傾向は維持され1.0880~1.1100、対円では115.00~117.00円と考えている。また英ポンド/ドルは1.1950-1.2250と予想している。
(2019/9/4, 小池正一郎)


※当コラムは毎週水曜日の更新です(水曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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