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第356回 ~ドル下落の足音~

2019年10月09日

ISM製造業景況感ショックで10月は幕を開け、いよいよ米景気後退が現実になってきたか、という緊張感が走った。これまでなら、景気後退→金融再緩和→金利引き下げ→株式相場上昇、となるが、今回はこの図式が素直に反応しなかった。これが何を意味するか、この方向感の出ない要因は何か、その背景に何があるか!

結論的には、強硬策に出れなくなったトランプ大統領の変身が、アンチ派もプロ派も決定的な手を出せず、様子見に入っているから、と考えている。このままいけば、政治的、経済的にドル売り材料が積み重なるだけであろう。

これが、株価にも方向感が出ない要因である。景気後退が進みリセッションになれば、企業収益は低下、株価も下落するとの思いから、なかなか株は買えない、という心理状態となっている。その結果として、9月に持ち直したドル円は、失速し、再び下落基調となっている。この地合いに変化が出るとすれば、米国景気にリセッションは来ないと確たる材料がそろったときであろう。あるいは、2016年のトランプラリーの再来が必要である。ただ、個人的には、これは今年中は来ないと考えている。

 それまではレンジ相場が続くと考えて、「農耕民族的ディール」が機能すると考えていいだろう。これは、レンジ相場と決めたときに行う手法で、買われたら売り、売られたら買う、いわゆる逆張りディールである。(ちなみにこの逆は「狩猟民族的ディール」であり、こちらは順張りとなり、トレンドがはっきりした時に、買われたら買い、売られたら売りの戦略が機能する)。

 この1週間は、ドル円は107円挟み、ドルインデックスは99挟み、と表面的には小動きに終始したが、現在のドル円のレンジは、106円~108円と考えている。このレンジは9月5日に始まったが、今月中に下方シフトが始まると予想している。

まず米中問題の長期化、泥沼化の懸念である。時期的に関税引き上げの影響が実体経済に波及してくるうえ、米中問題は複雑骨折のように多岐にわたる分野に拡大し、今後の協議継続は不透明となってきたからだ。イラン、ウクライナ、北朝鮮、弾劾問題、すべてが、再選を考えたトランプ大統領が、これまでのような強硬な政策を打てなくなったことで、この市場心理が高まっている。

これに加えてブレグジットは合意なき離脱の確率が高まり、ブラックスワンの数が増えている。そして後半には、中央銀行の政策決定会合がある。再び米国は利下げを決めるだろう。ただ現在は、市場への織り込みはまだ少ないが、今度増加していくにつれて、ドル下落は進んでいくと予想している。

ところで、これまでのレンジ相場の変動を調べてみると、とても分かりやすい傾向が見える。2円のレンジで、1~2か月ごとに動いている。5月以降でいえば、5月は109-111円、6-7月は107-109円、8月は105-107円、そして9月は106-108円で、現在も引き継いでいる。今のレンジは10月で2か月目、次のレンジに移る期も熟している。レンジが変わるときには、1日で1円程度は動くので、これからは日々のレンジ幅(長い陰線や陽線の出現)にも注意を払いたい。

さて、今後1週間の予想は、ドル円は、106.50~107.80円。またユーロは景気悪化を材料に軟調を続け、1.0880~1.1020、対円では116.50~118.00円と考えている。また英ポンド/ドルは合意なき離脱の議論が伯仲し、1.2000-1.2300と弱含みと予想している。
(2019/10/9, 小池正一郎)


※当コラムは毎週水曜日の更新です(水曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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