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第363回 ~強めたトランプ再選への道~

2019年12月04日

やはり! であろうか。米中通商交渉がデッドロックに乗り上げていることがわかるとドルは急落した。これまで、早期の米中合意の期待を背景に、リスクオフの解消が進み、12/2には109.73円まで上昇し110円乗せは当然、という勢いであった。

しかし市場には、どこか信じ切れないまま、いわば消化不良の状態でいた。それが、感謝祭で米国中心に取引の一休止が終わった週明けから、はじけた様に市場の空気は一変した。米国市場は、ドル、株式、金利の全面安に変わり、ドル円は10日ぶりの108.43円まで下落、現在もドルは軟調傾向である。

そのきっかけは、米中協議の停滞が明らかになったことである。今、米中両者とも報復合戦の停止を望んでおり、今後どのようなスケジュールで行うか、という点で合意点が見つからない状態、と読んでいる。基本的な線として「一時交渉棚上げ!」では合意、ただ「いつまで?」という点で合意に至っていない、という状態ではないだろうか。さもなければ、トランプ大統領から「合意は2020年大統領選挙の後になる」との発言は出ないであろう。少なくとも米国側は、そのように中国に要求していると予想している。

そして、新たに飛び込んできたのが、関税引き上げを武器にした他国への貿易戦争の開始である。ブラジル、アルゼンチンに対しては通貨安を理由に、そしてフランスに対してはデジタル課税への対抗措置として、関税増税を表明した。具体的な時期、導入方法は未定だが、いわゆる宣戦布告をしたわけだ。これは米中交渉の棚上げが決まるとなると、トランプ大統領としては手詰まりとなり、来年の大統領選挙を控えて存在感が薄くなることを嫌い、トランプ氏が決断したのであろう。

この決定は、今後発表になる内容を見なければ断定はできないが、再選を目指す=有権者に対し利益を与える、を意味している。今回のどちらの対抗措置とも米国民、米国企業に恩恵を与えている。これこそ、再選戦略の本格的な旗揚げである。現職の強みを積極的に利用している。今後も、財政拡大や、米国民の利益になるあらゆる政策を発動していくであろう。

一方、民主党側は、候補者の一人、ハリス上院議員が撤退を発表した。7月にはバイデン氏(22%)に次いで2位の支持率(20%)を得ていたが、11/26にはわずか3%まで急落、1位のバイデン氏の24%に遠く及ばない(数字は、米クイアニピアック大学調べ)。新たにブルームバーグ氏(金融情報会社ブルームバーグ創設者、前・NY市長)も参入、これから競争がますます激化してくる。まだまだ民主党の本命が絞り切れていない。

しかし、共和党はトランプ大統領の再選で固まっている。民主党の足元が固まらないうちに、自身の地盤を固めておきたいはずだ。香港人権法案への署名も、中国との報復合戦が激化しないように、水面下ですり合わせしたうえで行われたはずだ。この点では、ドル高への再燃の道も出てくる。しかし、トランプ弾劾報告書の発表も行われた。「政治は一寸先は闇」という有名な言葉がある。どちらが出ても動けるようにフットワークを養っておきたい。

今後1週間は、ドル軟調を予想。ドル円は、107.80~109.30円と予想。またユーロは、対ドルで1.1000~1.1150、対円では119.50~121.00円と考えている。また英ポンド/ドルは、総選挙での保守党勝利の予想を背景に1.2900-1.3200と堅調推移を予想している。
(2019/12/4, 小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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