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為替大観

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第319回 ~2019年を読む~

2018年12月26日

 2019年の為替相場は今年よりも荒れそうだ。具体的にドル円でいえば、前半ドル高、後半ドル安で、年間レンジを116円~98円と予想した。こう考える根拠は後段に述べるとして、まず2018年の振り返りをしたい。

 昨年12月に予想した2018年のレンジは、前半円安、後半円高の108円~123円で、年末110円とした。結果は、レンジは104.61円(3/22)~ 114.55円(10/3)と、年間変動幅は10円足らず、前半円高、後半円安であり、予想とは逆の動きとなった。ただ、10月以降は円高になり、現在の相場は110.50円(執筆時点)で、年末予想の110円に近い水準となっている。

 昨年末の当コラム(No.273~2018年を読む~、2017/12/27)で、「年後半は、経済面でも米国経済の拡大期間が長すぎる(すでに8年半の拡大、最長は1990年代の10年間)ことに対する警戒感も高まるだろう。景気指標に少しでも陰りが出ればリセッションへの懸念、米金利の低下、株価下落、ドル下落を引き起こす」と書いた。この予想通りのことが、10月以降に一気に起こった。しかも、複数の災害(要因)が同時に起こるという、より強烈な「パーフェクト・ストーム」として起こった。これが12/17以降のドル急落の要因である。

 また、「新しいFRB議長に対する市場からの洗礼も考えておかなければならない。グリーンスパン、バーナンキ時代には、それぞれ就任後に大きなショック(ブラックマンディー、リーマンショック)が起きている」とも書いた。この流れでいえば、今回の株価下落は、その衝撃は前2例と比べると小型ではあるが、、同じFRB議長への洗礼としてパウエル氏を襲ったともいえる。

 では、2019年の為替市場はどうなるか。結論から言えば、2018年とは逆に変動すると予想した。それが当初の変動幅の意味である。前半は、12月の反対方向で動きドル高が再燃する。この背景は、現在のパーフェクトストームは、欧米企業の決算期という季節要因が大きいが、合わせて、長期にわたる金融緩和で積み上げられたリスク資産のバランスシート調整、原油価格下落により産油国からの資産売却の想定、米国つなぎ予算の失効・政府機関閉鎖の長期化懸念、多額に積みあがったシカゴ投機筋の円売りポジションの流動化(円買)予想など、複数の円買い要因がある。

 年が明けると新年度の投資が始まると同時に、これらの懸念材料が徐々に解決に向かうとの見方である。経験的なデータでもドル円でいえば1月の相場は12月の方向と逆に動いている。アベノミクスが始まった2013年以降、12月がドル安(ドル高)であれば1月はドル高(ドル安)となっている。今年はこのままでいけば、12月はドル安となり、1月のドル高予想となる。

 しかし、年後半(夏休み明け以降)はトランプ大統領への信認低下(米国の威信低下)、米財政赤字の拡大による米財政破綻の懸念台頭、金利差縮小の顕在化でドルは再び下落を始める可能性がある。場合によっては、トランプ大統領の弾劾裁判も始まるかもしれない。景気面でも7月になれば景気拡大期間が戦後最長の11年目に入る。急速に後退の兆しが広がっていく可能性がある。

 そこで、2019年の予想レンジは、ドル円は12月には100円を割ることもありうると考えて、116円~98円とした。一方、ユーロは、英国のEU離脱問題、独仏などの政治情勢不安などを受けて、ユーロ軟調と予想、年間相場レンジを、対ドルでは1.1050~1.2500、対円では115.00~135.00円と予想している。

 今年1年、ご愛読いただきありがとうございました。来年は1月9日から始めます。
 どうぞよいお年をお迎えください。
(2018/12/26,小池正一郎)



※当コラムは毎週水曜日の更新です(水曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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