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為替大観

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第374回 ~ドル高は終わっていない~

2020年02月26日

先週、112.23円(2/20)までドルは急上昇した。昨年4月24日以来の高値(112.40円)を超えるような勢いであった。この予想をはるかに超えた円の売られ方で、今までとは構造が何か違う、と感じた。その考え方が正しいか、確認したい。

まず先週以降の相場展開であるが、112.23円の高値を付けた後、3回にわたり112.20円のブレークを試みたがかなわず、まさに2/8ルールの節目で、見事に跳ね返された。このタイミングで、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、円はリスクオフ通貨として改めてクローズアップされ円は買われた。合わせて株暴落、米金利低下も加わり、ドルは上昇の勢いを失い109.89円(2/26)まで低下、結局一週間で行って来いの相場となった。結果としてドルは当面の高値を付けた、との見方となった。

しかし、そうであろうか。ドル安材料と円安材料をファンダメンタルズとポリティカルエコノミーの観点から考えると、結論的にはドル高天井はまだ来ていない、との立場だ。確かに、短期的にはドルが上昇を続けることはないと言えるが、中期的には円の弱さが認識されていき、ドル高は避けられないのではないかと考えている。ただしそのタイミングは年後半と予想している。

現在、短期的に一番の大きなポイントは、やはり新型コロナウイルスの感染拡大動向である。感染地域がアジアから欧州に広がり、パンデミックの様相を呈してきたことが世界的に投資家を恐れさせている。一部には「これは戦争だ」という言い方も出てきたが、まさに見えない敵との闘いになっている。

従って資産保全として、”Cash is the King(現金が一番安全)”と伝統的な資産分散となり、「円と米ドル(特に米国債)」に資金が向かった。世界的な株安が長期にわたり続くということになれば、リスクオフ通貨としての円高を予想せざるを得ない。

ただ、以前と比べて日本の立場に変化がみられる。これまでは何も疑うこともなく「リスクオフ=円買い」であったが、現在揺らいでいる。イベント中止、インバウンド激減、観光業界を始め企業業績の悪化は避けられず、貿易赤字も拡大している。2020年第1四半期の成長率もマイナスの予想もあり、日本からのキャピタルフライト(資本逃避)の懸念も高まる状態だからだ。これでは円の安全通貨としての地位も揺らぐことになる。

一方で、これが顕在化するのは米国のファンダメンタルと、安全保障上の優位性が高まるときであり、それには米国経済と米大統領選挙が大きな影響を与える。また、世界的に個人消費の動向が重要視されてきた。特に米国はGDPにおける個人消費の比率が69.8%(2019年第4四半期)であり、個人がものを買わなくなると一気にGDPは縮小、車、住宅産業にダメージを与える。ここにドルの弱さもある。

実際昨日発表になった、米消費者信頼感指数(コンファレンスボード発表)2月分は、先月よりも小幅上昇したが、予想には届かなかった。最近の傾向は高止まりだが徐々に低下している。株安が続くと、資産効果の減退で消費は間違いなく低下する。そこで、トランプ大統領の新たな消費刺激策(減税や公共投資)が期待されることになる。

さて来週はスーパーチューズデー、米国の混乱が出るか、トランプ大統領の再選に歩を進めるか、政治的な動向がまたクローズアップされる。まさに連立数次方程式を解くような状態は続く。

今後1週間は、ドル円は、先週と同じく109.50~111.00円。またユーロは、対ドルでは先週と同じく、1.0750~1.0950、対円ではユーロ高の119~121円。英ポンド/ドルは先週と同じく、1.2900-1.3100と予想している。

(2020/2/26, 小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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