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為替大観

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第380回 ~狩猟民族相場~

2020年04月08日

新型コロナウイルスは、金融市場の常識を一変させた。一言で表すと、「過去の常識は通じない世界」とでも言おうか。この歴史的変動(筆者あえて、そう呼びたい)は始まったばかり。場合によっては静と動を繰り返しながら、今年いっぱい続く可能性がある。昨日発出された緊急事態宣言の期日は5月6日である。しかし市場にとって、この日はなにも意味を持たない。それまでの間、新型コロナウイルス問題に限って言えば、感染者数や死亡者数の多寡や趨勢によって、いつでも乱高下は繰り返されるであろう。

金融市場は、株式相場であろうが、為替相場であろうが区別はない。債券(金利)相場や原油・金等の商品相場の4市場が密接な関係で結びついているからである。どの市場も火付け役になりうるし、ポンプにもなりうる。リスクオフの最終目的は財産保持だ。Cash is the King(現金が最強)の言葉それを物語っている。したがって、このあらゆる市場(これをインターマーケットという)に目配せをしておかなければならない。

そして、これからの展望を市場人に立場で考える時に、間違えてならないことがある。世界はつながっており、金融市場は地球市場であり、地球に住む人間対未知の世界の細菌の戦いの場である。そこで、相場に立ち向かうものにとって理解していかなければならないことは、その人間は共通ではないことである。

特に日本にいると見えない部分は、外国、特に欧米とは歴史も宗教も違うし、国民性も違うとうことだ。そして相場へ向き合う態度や心構えが大きく違うということを理解しておくことである。端的に言えば、農耕民族と狩猟民族の違いである。

その違いは、前者が、主に東京市場で、「逆張り。売られたら買い、買われたら売る」相場になる傾向が強いことに対し、後者は欧米市場で、「順張り。売られたら売り、買われたら買う」相場になることである。筆者は、日米の両マーケットで経験し、この違いに気づかず、痛い目に遭ったことがある。おかげで相場の動きを肌で感じるようになった。

また、ITという第3世界の競争相手が急速に台頭したことも忘れてはならない。ただ、過去の経験則に沿ったプログラムで売り買いを指示するITであるがゆえに、今年の歴史的な大変動相場では、苦戦を強いられていると仄聞している。

過去の常識は通じない世界になったとは思うが、しかし「歴史は繰り返す」ということを否定するわけではない。それは、相場変動には段階があり、そのたびに相場の方向性が明確になることである。今、金融市場は第3ステージに入っている。当局が出てきたからである。リーマンショックとは、環境が大きく違うので、過去と同じにはならないが、相場の幅や長さは過去と相似形であると計算している。次回にその分析を期したい。

今後1週間は、ドル円は、107.80~109.80円。またユーロは、対ドルでは、1.0750~1.1050、対円では117.5~120.5円、英ポンド/ドルは、1.2000-1.2500と予想している。

(2020/4/8, 小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・SBI新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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