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第388回 ~ドル相場3本の矢~

2020年06月17日

相変わらずリスクオフ/オンの区分けで相場が動いている。ただ過去1週間の振幅は久しぶりに小さく、ほぼ107円±50銭に収まっている。今年に入っても107円の壁は固く、月中は10円以上動いても(3月)、ずっと月末には107円台で終わっている。これは何かある。相場の方向性を決める材料がない、のでなく、この動かないのが材料だ、と考えた。

さて、各月の月末NY市場終値は、1月は108.30円だったが、2月以降は順に、107.98円、107.51円、107.28円、107.75円であった。また、始まり値も3月以降は、107.30円、107.51円、107.28円であり6月も107.75円で始まっている。月間ベースでは、ひげの長い、行って来いの相場展開が続いている。それだけドルも円も売買を決める要因に決め手がなく、その時々の材料を使い、非常に短期的にポジションを整理していることになる。しかしこの方法は決して悪いわけでなく、利食い千人力と言うように、相場のクセをうまく活用するという意味で、とてもうまいやり方だと考えている。

毎週、1週間の相場レンジ予想を出しているが、今日までの1週間の結果を見て、相場が見える何かを、つかんだような気がしてきた。その本髄は「最大公約数を見つけること」。と言っても参加者すべてにヒアリングするわけでもないし、時々刻々変化する相場をすべて読み取ることでもない。それはどちらも不可能だ。そこで、ひらめいたのは、「三本の矢」を特定し「三次方程式となる算式」である。

ところで、競争の激しい相場の世界に生き残るためには、「知っていることは誰にも言うな」との言葉がある。筆者がニューヨーク勤務時代に、天才ディーラーと言われた友人から教えられたものだ。「知っていること」=「人から教えられたこと」になるが、友人から沢山教えてもらった。常にその言葉を思い描きながら相場を読んでいるが、今日のテーマは、その中から自分でアレンジした相場の読み方である。

まず最初に今日までの1週間の実際のレンジと先週コラムで出した予想数字との比較をしてみる。ユーロドル、ポンドドルは、ほとんど一致と言ってよい。ただ、本命のドル円は、下値はほぼピッタリだったが、上値(円安水準)が予想した108.50円には届かなかった。大いに不満の残るところだ。そこでその理由を考えた結果、出てきた答えが、「市場参加者が相場予想でフォローする3本の矢」であり、「それぞれの具体的な指標により成立する3次方程式を解くこと」であった。

市場には、ビッグデータによるアルゴリズムがあり、複雑な計算をコンピューターにより、瞬時に売り買いのタイミングをはじき出すツールがある。ただ、誰もが、その方法を使うわけにはいかない。筆者が考えたのは、その簡便法ともいえるものかもしれない。そしてここまで読んで、「なんだ! 自分もやっている。特に新しいことではない」とおしかりを受けそうだ。しかし、方向性を見つけ出すことが難しい今だからこそ、有効なツールになるのではないかと考え、あえて挑戦した。

ちなみに、今日現在の三本の矢は、誰もが知っている「トランプ」「GDP」「FRB」である。ポイントはここから方程式をつくるわけだが、細かい算式は、来週以降おいおいと明らかにしつつ、精度を磨いていきたい。

さて、今回の1週間予想は、ドル円は107円中心からの移動が見える週となり、106.80~108.80円と読んだ。またユーロは、対ドルでは前回と同じ1.1200~1.1400、対円では120.50~122.50円と予想、また英ポンド/ドルでは、1.2450-1.2750と予想している。

(2020/6/17, 小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・SBI新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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