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第395回 ~トランプの頭の中のドルインデックス~

2020年08月05日

先週末7/31日早朝につけた104.19円は何だったのだろうか。このまま100円までドルは落ちていくのかと、思わず身構えた。梅雨明けの暑さが、スーッと引くような怖さも感じた。それまで何度もトライして跳ね返され104円半ばのポイントを破って下げ続けていたからであった。

しかし、その後反転、海外市場で一時は106円台に乗せた後、105円後半で引けた。その動きで思い込み過ぎる怖さも思い知らされた。しかし近頃のドルの動きはやはり変だ。本欄でも何度もドルは将来、価値の下落(ドル安)の可能性があると述べており、どこかにその兆候を探していたからであろう。まさに潜在的な心理が働いていたのも事実である。

そのヒントとして、筆者が気を付けてみているのが、ドルインデックスの値動きである。トランプが就任して以来のレンジは、103.82 (2017年1月)から88.25(2018年2月)であり、現在は93前後(7/31には92.54まで低下、2年2か月振りの安値)となっている。問題はこの水準で、トランプは満足してるのかという点である。

2017年1月の就任直後は100を超えていたが、「ドルは強すぎる」などドル高をけん制する発言が続いたことで、ドルは下落、同年9月には91.13まで下落、翌年には、前述の88.25まで売られた。そこまで来ると、さすがにトランプ大統領も「ドルは強いほうが好き」と、逆にドル安をけん制。その言葉を受けて、その後ドルは今年初めまで上昇を続け、3月19日には、102.99の高値を付けた。その後はコロナショックである。特に米中摩擦が激化してからは急落、現在に至っている。

この動きの中で、わかったことは、相場で100はレッドカード(ドル高警戒警報)、90はグリーンカード(ドル安警戒警報)、そして95はイエローカード(ドル上げ局面では、そろそろトランプからドル高牽制が出る水準、ドル下げ局面ではドル安牽制が出る水準)と言えることだった。それぞれの局面で自分なりに警戒警報を発している。

そして今は、95から90へと下落している場面、90に近づいていくにつれて、ドル安へのけん制発言が出る可能性が高まっていくとも考えられる。「強いアメリカとは何か」「アメリカに資金を引き付けるためには何が必要か」。また「株高を維持するためには何が必要か」、を考えていくと、「ドル価値の維持」という答えに結びつくのではないだろうか。

単純ではあるが、それがトランプの持ち味であり、この面では、ドル安一辺倒には進まない、という見方だ。ただ、一説には、トランプの頭の中は、コロナ退治でいっぱい。再選のために何が効果的かを考えており、為替相場まで手は回らない、との見方もある。こんな中ででてきたのが、中国のドル離れの新たな動きである。その一つの具体的な動きが、先週中国の外国為替に強い銀行である中国銀行(Bank of China)が、「米国の制裁に備えて、資金決済をSWIFTから中国製のCIPSに移行すべき」との報告書を出したことである。これに関する動向については継続的にフォローしていきたい。

さて、今週は106円を挟んだ取引に終始しているが、いかにもじれったさを感じている。ただこれはドル円に限った話で、他の通貨、例えばユーロ、スイスフラン、ポンド等、動きの大きな通貨はいくらでもある。中でもスイスフランは、0.9058までフラン高になり、なんと2015年1月以来の水準でなった。そのためスイス円も116円台へ上昇、1年10か月振りの高値水準だ。今ではスイスフランこそが、リスクオフ通貨の筆頭に位置していると言ってよい。

今後1週間の予想レンジは、ドル円は105.20~107.20円。またユーロは、対ドルでは1.1700~1.1900、対円ではユーロ高の123.50~125.50円。また英ポンド/ドルでは1.2800-1.3100と予想している。

(2020/8/5, 小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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