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為替大観

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第410回 ~バイデン時代の円相場~

2020年11月25日

過去2週間を振り返ってみると、流れは極めてはっきりしている。市場はリスクオン、株高、ドル安、円高傾向が、ほぼ一直線に続いている。NYダウが史上初めて30,000ドルを超えたことが目立っている。今週初に、バイデン大統領の閣僚人事指名がスタート、トランプ大統領が政権移行手続きの開始を許可、アストラゼネカ社などが、開発中の新型コロナウイルスワクチンの高い有効性を発表など、現在市場にある先行き不透明感の霧が晴れてきたことが、その要因となっている。

一方、為替市場ではドル安が顕著だ。ドルの総合指数とも言えるドルインデックス92割れ寸前まで低下している。91.746以下に低下すると、2018年4月以来の安値となる。反対にユーロ、英ポンドが休みなく上昇。ユーロは1.19台まで上昇、NY終値が1.19台となれば2018年5月以来の高値、また英ポンドは1.35目前まで上昇。1.3515を超えると、同じく2018年5月以来の高値になる。

そして、結果としてリスクオフの代表的な「金」は続落、11/9の1,965ドル(1オンス)から、昨日24日には、1,800ドル割れ寸前まで低下した。割れれば7月13日以来となる。ところが、ドル円は、103.70 円が抵抗線となり、103.65(11/18)を底に、その後4日間はその水準を破ることができず、円安基調にシフト、ドルと同じ方向に展開している。

さて、米次期大統領はバイデン氏にほぼ確定したと言ってよいだろう。理論的には、まだ、トランプ大統領の逆転勝利は起こりうるが、限りなく可能性は少ないとみられる。とすれば、民主党大統領の誕生である。すなわち、これは個人的なアノマリーであるが、ドル円は低下の可能性が高いということになる。これまで、このアノマリーは長期的な相場見通しに大きな効果を発揮していた。それは、1989年のブッシュ(父)大統領時代から、2016年までのオバマ大統領Ⅱ期まで、大統領任期の4年で区切ってみた場合、すべてに適用されたルールで、以下の三つの法則である。

①民主党政権で円最高値。しかも、その間隔は16年半ごとに起こる。②最初の1~2年間は前任者の方向を継続する。③4年に一度、方向転換する。2年後に中間選挙があることが影響しているとみられる。①については、スタートは、1978年10月のカーター大統領時代の176円(初めて180円割れ)。次は、1995年4月クリントン時代(Ⅰ期)の79.75円、そしてオバマⅠ期時代2011年10月の75.32円と続く。これらの三者の間隔はきれいに16年半である。そして今から16年半後は、2028年4月である。あと7年半あるが、民主党政権が第Ⅱ期になれば(あるいは、バイデン大統領が1期4年だけで引退、民主党の後任が引き継ぐことも含める)そこで、円最高値になるとも予想できる。

1993年以降の民主党政権では、いずれも100 円割れは当たり前、80円以下になっている。ちなみに、ブッシュ(父)以降、共和党政権時代に100円割れはない。②は、ブッシュ(子)のⅠ期からⅡ期に出てこなかった以外は、すべてのケースに当てはまる。ただし③については、どの4年間にも当てはまる。 ただ、最近4年間、トランプ大統領時代は、傾向的にはドル安だが、②も③もはっきりした形は出てこない。

これらを総合してチャートが示しているのは、バイデン大統領時代は円高が進み、前半は円高推移で100円割れどころか90円割れも見える。しかし。後半はドル高に方向転換、110円台に戻る。そして次の4年間(2025年~2028年)は民主党政権下、円最高値の更新が起こるとチャート派示している。これが筆者の長期的はドル円予想である。

さて、今後1週間は、ドル円は103.75~105.75円、またユーロは1.1900~1.2100、対円では123.00 ~125.00円、英ポンド/ドルについては、1.3200~1.3500と予想する。
(2020/11/25, 小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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