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第417回 ~財務長官の呪縛~

2021年01月20日

今日は、待ちに待った新しい大統領の就任式である。1月20日正午をもって、アメリカ合衆国第46代大統領の誕生である。その名は Joseph Robinette Biden,Jr(通称:ジョー・バイデン)である。オバマ大統領のもと、2017年1月まで8年間副大統領を務め、4年間の闘いを経て、ついに大統領を勝ち得た。歴代では最高齢(現在78歳、1942年11月20日生まれ)の大統領となる。国内外で解決しなければならない問題は最初から山積しており、いばらの道が目の前に広がっているが、まずは、おめでとうと言いたい。(今日の就任式は、日本では真夜中になるが、NHKがライブ中継を行う)。

さて、何もかも異例づくめの政権移行であるが、人事もその一つである。閣僚はじめ、いわゆる政治任用のポストが全部で757あるが、今日まで閣僚級で指名されたのはわずか47しかなく(ワシントンポスト紙)、しかも一人も上院で承認されていない。これまでにないことだという。ようやく昨日、5つの長官等候補者の公聴会がそれぞれの上院委員会で開始された。その中の一人が、イエレン次期財務長官で、上院財政委員会で行われた。ほかに主要な閣僚では、ブリンケン次期国務長官に対し外交委員会で、オースティン次期国防長官には軍事委員会で公聴会が開催された。

中でも国際金融市場に絶大な影響を及ぼす財務長官として、前・FRB議長のイエレン氏の公聴会は大きな話題になった。FRB時代にドル安派として受け取られていたので、どのような発言が出るか世界中に注目された。事前に、WSJ紙はじめ多くのメディアが、ドル安を容認する発言はないとの見方が出ていたので、ある程度市場には織り込まれていたが、伝えられた内容とは違うニュアンスが出ないとも限らない。実際に本人から聞かないと納得いかないのが市場の常。しかし、事前に言われたことと、寸分たがわず、まず一安心であった。

米・財務長官のマントラ(呪文、あるいは教義)とも言われた言葉は「強いドルはアメリカの国益である」だ。1995年1月に財務長官として就任したロバート・ルービン氏が言い始めた。当時はクリントン大統領がドル安を容認し、ドル円も初めて80円を割り、史上最安値1ドル=79.75円(1995年4月)を付けた時だ。米有力投資銀行ゴールドマン・サックス社のトップを経て、初代の国家経済会議委員長としてホワイトハウスに入り、その後財務長官に就任した人物だ。米国金融市場の復権のために、米国への資金還流策として米ドル高を政策に掲げた。

その後は、すべての財務長官が、為替相場の質問を受けたときは、同様な言葉を使っている。トランプ政権下のムニューシン財務長官でさえもその言葉を否定はしていない。その後任のイエレン氏がどう言うか、ましてやドル安を指向してきた立場で、この財務長官の伝統ともいえる教義にどう立ち向かうか、とても興味深い。歴史を知り、今を考える「意義深い教材」ともいえる。正式に財務長官に就任した後の言葉に注意深く耳を傾けていくことが必要だろう。

さて、今日から1週間は、中央銀行政策決定会合が開催される。日銀は現状維持と予想している。展望レポートの中間評価があり、ゼロ金利5年目だが、3月会合に現政策の点検結果発表があるので、今回は特に政策変更を行う理由はないと予想している。ECB、FRBとも次回3月に経済見通し等行うので、今回は現状維持と考えている。

さて、バイデン大統領誕生第1週の相場見通しは、ドル円は小幅ドル高の103.20~104.80円を予想。ユーロは対ドルでは、前週より小幅ユーロ安の1.2050~1.2250、対円で125.00~127.00円とし、対英ポンドでは前週と同じ、1.3550~1.3800を予想する。

(2021/1/20, 小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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