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第426回 ~バイデンラリー第2弾~

2021年03月31日

 109.23円を抜けると早かった。前の号で述べたように、フィボナッチ重要ポイントのブレイクを何度かトライしていたが、ようやくNY市場終値で抜けたのが3月26日だった。予想通りに110円を超え、今は111円に迫っている。115円を目指しているのではないか、と思わせるほどの勢いだ。日足では、今日まで4日間陽線が続き、3月24日(安値108.45円)から数えると実に6日間の連騰で、今のドル高値(110.97円)まで、2.52円(約2.3%)、円は下落したことになる。

 今回のドル急騰は、米ドル金利の上昇が要因になっているが、もともとの材料は、バイデン大統領が今日にも発表予定の4兆ドルにも達するとも言われる大型財政支出パッケージへの期待である。その原資として増税も計画されているが、経済成長期待のほか、国債発行が大幅に増加するとの見方から、債券安=金利高の思惑が出たことで、ドル高が加速したものだ。

 1.9兆ドルの新型コロナ対策(米国救済計画)が実現した後、1か月も立たないうちに、この大型財政支出の発表には、バイデン大統領の経済復興に対する本気度、積極的な姿勢が少なくとも為替市場には好感されている。ドル円だけでなく、ドル・インデックスも93台へ上昇、約4か月ぶりの高値を付けたことでも、ドル買いの熱気が伝わる。

 これは、2016年のトランプ大統領の当選後に起きたトランプラリー再現への期待につながるからだ。トランプ氏が大方の予想に反し、大統領に当選を決めたのが、2016年11月。当初は、驚愕の結果にトランプショックともいえるドル売りに見舞われ、ドル円は101円台まで急落した。しかし選挙戦で公約していた大型のインフラ投資、法人税率引き下げを主とする税制改革が実現できると、米国経済の活性化、成長への期待が高まり、ドルは急上昇した。ドル円は1か月余りで、101円台から118円台(2016年12月)まで上昇を続けたが、市場ではこれを「トランプラリー」と呼んでいる。

 今回のバイデン大統領の大型インフラ投資は、金額的にはトランプ時代をはるかに超える金額であり、まさにバイデンラリーの第2ラウンドともいえる展開となっている。ちなみに、その金額の内訳は、今日発表予定だが、そのうち2.25兆ドルの計画は以下の通りと推定されている(ワシントン・ポスト紙)。6,500億ドルが公共施設関連(道路、橋、港湾、水道など)に、4,000億ドルが健康福祉施設関連に、そして低所得者向け社宅と製造業向けに各3,000億ドル、研究開発に1,800億ドル、他に、飲料水、電力供給網、高速通信網、労働訓練などの整備に各1,000億ドルの支出などである。

 今回は法人税増税などの税制改革とのセットとなることが見込まれており、100%好感されることはないだろうし、内容次第では、盛り上がった勢いがしぼむこともありうる。ただ個人的にはドルの勢いは固いと予想している。

 ところで、ユーロの軟調さが気になる。1.17割れ寸前であり、昨年11月以来の安値水準まで下落している。変異型の拡大などで新型コロナ感染が治まらず、ワクチン接種のペースも停滞気味なことから、経済回復の遅れが懸念されたものだが、欧州中央銀行(ECB)の金融緩和姿勢も強まっており、キャリー取引の売り通貨になっていることもその要因だ。

 さて、今後1週間の相場見通しは、ドル円は、109.20~111.20円と予想。ユーロは、軟調傾向と考え、対ドルで1.1620~1.1820、対円では128.00~130.00円と予想。一方、英ポンドは、1.3550~1.3850と予想する。

(2021/3/31, 小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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