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第430回 ~BOJ+FRB=112~

2021年04月28日

 ドル円は先週末4/23の107.48円を底値に上昇中、今日はちょうど2週間ぶりに109円台に乗せてきた。これまでのところ、日足で3連騰となっている。前回の連続上昇はほぼ1か月前、初日は3/24であったから約1か月ぶりの連騰である。前回の記録は、108.45円から日足で3/31まで6連騰、2.50円余り上昇して、最高値は110.97円であった。

 前回の上昇のきっかけは、現象的には米ドル長期金利の上昇だが、背景は、バイデン大統領のインフラ投資計画が話題に上った日であった。約2兆ドルという大規模インフラ投資が、財政赤字の拡大をもたらし、多額の国債発行による債券市場のだぶつき、債券価格の下落=国債利回りの上昇を生むという考え方だ。今年のドル円は米ドル金利に沿った相場展開となっており、今回のドル円上昇もこの材料から紐解いていける。

 ドル円上昇は、円要因による下落+ドル側の上昇要因で考えることができる。今回のドル高は、今週行われている中央銀行の政策決定会合に起因する。まず日銀要因であるが、一言でいえば、黒田総裁が、2%の旗を降ろしていないことである。事前には、物価目標を2%から引き下げるのではないかとの見方があった。日銀が基準に置いている消費者物価は、生鮮食料品を除いたコア指数だが、昨年は年平均が年率マイナス0.2%、最新の2021年3月も同マイナス0.1%と8カ月連続でマイナスが続いている。このため、市場の一部からは、日銀は2%をあきらめ、目標を下げるのではないかという見方が出ていた。

 それが結果としては、これまでの日銀の2%堅持の強いコミットは変更なし。声明文で明らかになった。また同時に発表された展望レポートの経済見通しで物価目標は下方修正されている。ここから、「2%達成のためには、今まで以上に強い緩和が必要」と読むことができる。すなわち円安がもたらされる。事実、日銀発表の後、ジワリと円安が進んだし、海外市場からは、円安要因として日銀会合のこの結果を挙げているコメントも見受けられた。

 そして、今晩発表になるFOMCの結果である。欧米の4月の会合は、いわゆる裏の月(経済見通しが発表されない会合)であり、会合の結果や考え方については、声明文と終了後のパウエル議長の記者会見が重要になる。今の市場の注目は、パウエル議長が“いつ”テーパリングを発表するかに集まっている。前回3月のFOMC以降、「いずれ行わなければならないが、今は時期尚早」の一言で済ませているが、今回は、取り巻く情勢が3月とは様変わりだ。

 まず、お隣カナダが先陣を切ってテーパリングを発表した。カナダ中銀は、資産購入を月C$40億からC$30億へ減額、合わせて利上げ時期の前倒しについても言及した。国際金融市場への影響の大きさを考えれば、米FRBの比ではないが、先進国からの方針変更のインパクトはそれなりにある。また、物価動向も注意が必要だ。4月に発表なった3月米CPIは、エネルギー価格の上昇(年率で+6.2%)により、総合で年率2.6%の上昇であった。ただコア(食料とエネルギーを除く)は、年率1.6%と、まだターゲットの2%には達していない。しかし、足元では3か月連続上昇、最新3か月は年率1.9%に上昇している。この意味で30日に発表になる個人消費支出価格指数が注目される。今回のFOMCの判断材料には間に合わないが、今後の方向性を考えるうえで、きわめて重要な指標になることは間違いない。

 このBOJ要因とFRB要因は両方とも、ドル高要因となる。一気に進まないとは思うが、5月のドル円相場の方向性を示唆するのでないかと考えている。

 さて、今後1週間は日本のゴールデンウイークで日本市場は休場が続く。これまでは休日にドル安の傾向がみられたが、今年は逆になるような気がする。今後2週間の相場見通しは、ドル円は、108.00~110.80円と予想。ユーロは、対ドルで1.1850~1.2100、対円では129.50~132.50円と予想。一方、英ポンドは、1.3700~1.4100とポンド高と予想する。

(2021/4/28, 小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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