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第447回 ~9月は5つのCで相場は動く~

2021年09月01日

世界中の耳目を一身に集めたFRBパウエル議長のジャクソンホール講演は、小波乱があったが、ともかく無事に通過。いよいよ今日から9月、いわゆるバック・トゥー・ザ・スクール(Back to the School)の時期(注)となり、市場がざわめき始めてきた。昔から(少なくとも為替市場に携わって約50年の筆者には)<相場秋の陣>として、胸が高まってくる。

(注)米国では9月第1月曜日(今年は9月6日)はレーバーディ(労働者の日)として連邦政府の祝日だが、一般的には、その日で夏休みは終わり、翌日から本格的に年度の第4四半期入りとなることから、傾向的に市場参加者の売買が活発化、値動きも大きくなると言われている。

今年末までのドル円相場の市場のコンセンサスは、「ゆっくりとドル高推移。年末までのレンジは108~115円、年末112~113円」と言ったところだろうか。一部には年末115円の声も聞こえてくる。これに対し、筆者の予想は、「年末まで103~111円、年末105円」とかなりの円高予想、そして少数派だ。

その理由は、あまりにもドル高期待が市場に蔓延していると感じているからである。ドル高予想に対し、筆者が懸念しているのは「米国のテーパリングに対し、今年中の開始を読み、ドル金利上昇予想(高い所で米10年債2%)を背景に、広くドル買いへのバイアスがかかっている」ことである。今回は、アフガニスタン政変も加わって有事のドル買いが材料になった。

さて9月のメーンイベントは、なんといってもFOMC(21-22日)だが、そこに至るまで、多くのチェックポイントがある。そのヒントは、前記パウエル議長講演に多く盛り込まれているが、筆者は英語の頭文字をとって5つのC(5C)としてまとめた。最初のCはCOVID-19(新型コロナ感染拡大)である。以下、Central Banks(中央銀行の金融政策)、Consumer(消費者動向)、Commodity(物価動向)、最後はde-Carbonization(脱炭素化)である。

最初のCは、今回の新型コロナウイルス感染症に対し、WHOが命名した国際正式名称である。世界中に猛威を振るっているが、デルタ変異株の拡大が経済活動に再び大きな影響を及ぼしていることで、パウエル議長も、米国経済成長に大きなリスク要因として意識していると表明した。影響度は、さっそく今日から発表される経済指標から浮き上がる。中でも今週末の雇用統計が、一級品の重要指標である。政府の追加給付が終了することから、国民が労働市場に戻ってくることから大幅な増加を期待する見方が多くなっているが、今回の発表が8月分であることから市場の予想はやや控えめだ。非農業部門雇用者数は75万人(前月は94.3万人)、失業率は5.2%(前月5.4%)となっている。これら予想より大幅な改善となれば、ドル上昇の勢いが出てくる。

第二のCは中央銀行政策決定会合である。来週9日(木)にECBがあるが、メーンイベントは21-22日のFOMCである。詳しくは来週以降に取り上げていくがテーパリングについて具体的な議論が、間違いなくなされるだろうから、それまでの間FOMCメンバーからの発言は傾聴していかなければならない。

この1,2のCは、3と4にかかわってくる、すなわちこれらの経済指標が、FRBなど当局者の評価やドル金利への転嫁となり、ドル円相場に影響を及ぼす。5についてはやや中長期的な問題意識だが、日銀が資金対応策を今年中に開始すると発表したように、主要な中央銀行でも導入し始めているので、忘れてはならない課題として入れておいた。

ドル円は、いま約3週間ぶりに110.40円に乗せ、7月以降続いてきたレンジ相場を上抜けそうな勢いがある。チャート的には三角持ち合いが収束点に近付きつつあり、どちらかの方向へ動き出すタイミングとなっている。ただ、筆者はこれで方向が決まると考えていない。

今後1週間の相場見通しは、ドル円はやや円安の109.50~110.80円と予想。またユーロは、対ドルで先週より小幅ユーロ高の1.1700~1.1900、対円でも128.50~130.50円とユーロ高を予想。英ポンドは先週と同じ1.3675~1.3875と予想する。

(2021/9/1, 小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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