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第450回 ~リーマンとの違いを見極める~

2021年09月22日

今日は日銀は政策決定会合であったが、予想通り現状維持。ドル円への影響は全くなし。市場の興味は、中国恒大集団(Evergrande)の金融危機問題である。朝からリスクオフの円買いがはいり、一時109.11円まで円は買われたが、今日も109.11円は下値の岩盤であった(説明は下段)。お昼前後に、明日の利払いが実行される、との報道でドルは買い戻された。しかし利払いは人民元建て債券で米ドル建て債への言及がなかったので、ドルは109.50円前後で上げどまり、あとは今晩の米FOMCの結果待ちとなっている。

日銀の政策決定会合の結果だが、声明では、金融政策部分は一言一句同じ。異なったことは、前回明らかにされた気候変動対応オペの詳細が発表されたことであった。今回は展望レートが発表されないので、声明文に景気の現状分析、見通し、リスク要因を加えた。一部供給制約を受けつつも景況感全体としては増加傾向にあるとした。

終了後の記者会見では、市場が(筆者も)考えている課題について質問が出るだろうと注視していたが、黒田総裁から明確な言明はなかった。その課題とは、①出口政策の時期、手段、②新政権とのアコード(共同声明)見直しの可否(2013/1に安倍首相と白川総裁、いずれも当時、で結ばれたもの)、③保有資産(特にETF、リート)の活用の是非、手段、④デジタル通貨(CBDC)への対応である。今後の会合、自民党政権交代後の10月(27-28日)か、衆議院議員選挙(11月に行われると推定)後の12月(16-17日)には、少しでも進歩があることを期待したい。

ここで、先週15日からの過去1週間の市場動向を振り返る。基調は、ドル高、円高、ドル円は109.11から110.08までの1円足らずの狭い動きであった。8月16日から今日まで5回付けているが、109.11でぴたりと止まって跳ね返されている。割れれば一気に108円台突入であろう。次のターゲットは、108.72円とみている。一方ドルインデックスは93.453まで上昇(9/20)、8月23日以来の高い水準だ。なおユーロは1.1700(9/20)まで下落、ほぼ1か月振りの安値を付けている。

ところで、恒大集団の利払い問題であるが、今年の利払い金額合計は6億69百万ドルで、今年は毎月発生する。米ドル建てが圧倒的に多く、今年12月、来年6月の利払い金額はドル・元合計でそれぞれ4億ドル前後(内米ドルが8~9割)の利払い額となっている(Bloomberg調)。この問題に対する中国政府の出方が大きく影響する。市場では同じ不動産問題の金融危機としてリーマンショック(2008年)と比較する動きがあるが、大方はリーマンとは違う、そこまでひどくならないとの見方だ。果たしてそうであろうか。当時の問題の波及度について振り返ってみた。
問題の拡大とそれに対する当局の救済策にはそれぞれ4段階のステージがあった。①資産(住宅ローン)の不良債権化、②商品(証券)の評価損失の拡大表面化、③金融機関(システム)の危機連鎖、④メインストリーム(経済全体)への連鎖である。これに対し、救済策は、①政策金利下げ、②税還付、③市場へ資金供給、④公的資金の導入であった。今が第一段階とすれば第2段階移行が起こるかどうかがポイントになる。リスクオフの円高追求が消えない理由がここにある。が、まずは今日のFOMCの結果を待ちたい。

さて、今後1週間の相場見通しは、今日のFOMCで、テーパリング開始の決定が明らかにされるとの見通しのもと、ドル円は先週に比べドル高基調の109.00~110.50円と予想。またユーロは、対ドルで1.1650~1.1850、対円では128.00~130.00円とユーロ安を予想。英ポンドは同じくポンド安基調で1.3600~1.3800と予想する。

(2021/9/22, 小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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